2016年5月15日日曜日

映画『お!バカんす家族』・・・ 遊園地を目指して4000キロを珍道中

●原題:Vacation
●ジャンル:アドベンチャー/コメディ
●上映時間:99min
●製作年:2015年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョナサン・ゴールドスタイン、ジョン・フランシス・デイリー
◆出演:エド・ヘルムズ、クリスティナ・アップルゲイト、スカイラー・ギゾンド、スティール・ステビンズ、チェビー・チェイス、クリス・ヘムズワース、レスリー・マン、ビヴァリー・ダンジェロ、チャーリー・デイ、ノーマン・リーダス、レジーナ・ホール、その他大勢

【ストーリー】
 アメリカ。国内線パイロットのラスティは、愛する家族と幸せな生活を送っていたが、一方ではマンネリも感じていた。妻のデビーが毎年の丸太小屋バカンスに飽きていることを知るや、ラスティは一念発起し新たなバカンスを計画する。それは家族で4000キロ先の遊園地ワリーワールドに向けて旅をすることだった・・・。



【感想と雑談】
 ちょっとベタなパッケージに身構えてしまいましたが、クリスティナ・アップルゲイトが出てるんですね。思い入れのある女優なので興味が湧いてしまいました。あ、よく見たらマイティソーのクリス・ヘムズワースも出てるとか(笑)。これはいったい。

 なんという絶品コメディ。

 ああやっぱアメリカって凄いわ、と唸らせるほどのセンス・オブ・バカ度です。オープニングタイトルから早くも一般人のバカンス写真を使った二段オチ演出に、これはイケる!!と確信しました(笑)。本編でのキャラクタの造形は素晴らしく、どいつもこいつも特徴的で無駄なく立ちまくり状態です。シーン毎にとにかく笑える仕掛けがテンコ盛りで、コメディとはそういうものですがとにかくいい。

 冒頭、国内線パイロットのラスティが乱気流で大揺れしながら乗客の美人ママのおっぱいを鷲掴みにするという、「ドリフ大爆笑」(古いよ)さながらのコントが素晴らしいです。観る人の心も鷲掴みです。演じるエド・ヘルムズをじっくり見たの始めてなんですが、いいコメディアンですね。



 ちょっと疲れた感じの妻デビーを演じるのがクリスティナ・アップルゲイトなんですが、大好きな『ビッグ・ヒット』('98)に出ていたことで印象付いてる女優です。初めは普通の良きママですが、歴戦のコメディエンヌがそれを許すはずもなく、ネジが徐々に外れて台詞どころか体当たりで下品ネタに突撃していくところは感動ものです。女優の鑑です。好きだぞクリスティナ(笑)。

 また、息子兄弟の設定にもツボりました。暴力的な弟が温和すぎる兄をしょっちゅうイジメるという、過激で可愛くもある兄弟関係には大笑いしました。女の子に見とれている兄に弟が突然ビニール袋攻めするところは、その状況やBGMも相まって神がかりでしたし、のちに再度ビニール袋攻めが活かされるところは痛快でもありました。何度も見直したいシーンです(笑)。

 こんな家族が西海岸の遊園地に向かう4000キロの珍道中は『なんちゃって家族』('13)の比ではないと思いました。旅の過程で思い出作りをしたいパパは色んなサービスをしますが、その全てが豪快なトラブルに繋がってるのが楽しいです。珍道中をサポートするのはキャンピングカーではなくアルバニア製の謎のセダンで、これだけでも飛び抜けたアイテムなんですが、特にある言語で暴走するカーナビに息子が「なんでこんなに怒ってるの?!」と呆れるところは、作り手のわかってる感がヒシヒシと伝わる瞬間でした(笑)。



 『モンスター上司』('11)の脚本コンビが手がけていて、その経緯もあってか脇役陣もなかなか豪華ですね。コメディ役者系では、ママ友のレジーナ・ホール、脳天気バカ嫁のレスリー・マン、急流下りガイドのチャーリー・デイ、なんてのが飛び抜けていました。ところで、ラスティの豪傑父親のチェビー・チェイスは本作に繫がる前日譚『ホリデーロード4000キロ』('83)で同じ役をまんま演じられていたんですね。母親役も本作と同じくビヴァリー・ダンジェロで。世代をまたがった一大ドラマになってるんだこれ。

 強烈な髪型でリスペクト俺様のクリス・ヘムズワースや、謎のトラック野郎のノーマン・リーダスには、そんな役もやるんだとビックリですが、やはり真の役者ほど潔くバカ役もこなすということですね。凄くわかります(笑)。そういえば冒頭の乱気流でいじられる乗客親子のパパ役をコリン・ハンクス(トム・ハンクスの息子)がやってました。だから何って感じですが(笑)。

 本作のいいところは、ハチャメチャ路線のところ、それでも根底には家族の幸せを願う思いがあるところです。国際線パイロットとの確執から繫がるクライマックスで目的をやり遂げようとする家族の結束はカタルシス以外のなにものでもないです。下品なネタが多いですが、どのシーンも愛さずにはいられない魅力ある作品です。

 吹替でも観たのですが、やはりコメディってのは化けるものですね。翻訳やアドリブの妙もあってか、オリジナル音声とは違った面白さを感じます。コメディ作品はベテラン声優も本領発揮の場ではないでしょうか。ぜひ吹替でも観て頂きたいです。


 しかし、4000キロのドライブ旅行ってどんなよ。


(C)2015 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.
【出典】『お!バカんす家族』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント

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2 件のコメント:

  1. こんにちは!!
    umetramanさんの記事を読むと、
    この映画の気づいてない素晴らしさを
    知る事ができました!!(^^♪

    >ちょっとベタなパッケージに身構えてしまいましたが、

    パッと見た印象は危険フラグが立ってますよね(笑)
    かみさんが選んでなかったら見てないと思います。
    タイトルも危険な臭いがしますので・・(^▽^;)

    >やはり真の役者ほど潔くバカ役もこなすということですね。凄くわかります(笑

    これは思います!「うそつきは~」のニコールキッドマンなんかも
    印象深いです!!他にもいっぱいあるはずですが・・・(^▽^;)
    トム・ハンクスの息子なんていたんですね??
    知らない大物が潜んでそうです(笑)

    >演じるエド・ヘルムズをじっくり見たの始めてなんですが、いいコメディアンですね。

    ハングオーバーシリーズで好きになりました!
    もし未見なら是非!!(^^♪

    >本作のいいところは、ハチャメチャ路線のところ、それでも根底には家族の幸せを願う思いがあるところです。

    この辺が良かったですよね!!(^.^)
    ただの下ネタ満載のコメディ映画ではないところが
    気に入りました!!会社やお客さんにも「下ネタが嫌じゃなかったら」
    という前置き付きで推奨してます(笑)

    クリスティナ・アップルゲイトは見てる映画が無いのですが、
    僕のお気に入りリストに入りました!(笑)

    クリスティーナの好きなコトは見てるはずですが、
    イマイチ、思い出せず・・。今度、再見します!!(^.^)

    ブラッドピットをデートの途中で置き去りにした
    などの噂も素敵過ぎるアップルゲイトに凸!!\(^o^)/

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  2. 〉take51様
    アチラ米国のオリジナルは鬼気迫ったカッコいいデザインなんですよ。日本人向けにアレンジする配給会社も大変ですね(笑)。

    本編に絡まない隠しキャラ?の発見も楽しいところです。コリン・ハンクス以外にもいろいろ出てたりして?

    長距離ドライブを軸にしてるからかネタを配置しやすいのもあるかもですが、数々のギャグには本当にセンスのよさを感じます。中でも州警察4人が鉢合わせしてケンカするところは純粋に感動しました。あのオチは凄すぎる(笑)。

    たしかにこれは下ネタ好きか耐性ある人でないと難しい作品ですね。何度も念押しして薦めないと後で怒られそうな予感(笑)。大学イベントや謎の温泉のくだりは生理的にダメな人もいるでしょうが、私は逆にクリスティナが大好きになってしまいました(笑)。

    エド・ヘルムズは他でもチラホラ見ていましたが本作でかなり印象付きました。「ハングオーバー」は未見なのでいずれ見てみたいと思います。

    ブラピを放置プレイとか本当に過激ギャグがお好きなクリスティナに応援頂きました(笑)。

    コメントありがとうございました♪

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