2014年4月20日日曜日

映画『バッファロー’66』 ・・・天使クリスティーナ・リッチが降臨します

●原題:Buffalo '66
●ジャンル:コメディ/犯罪/ドラマ
●上映時間:110min
●製作年:1998年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ビンセント・ギャロ
◆出演:ビンセント・ギャロ、クリスティーナ・リッチ、ベン・ギャザラ、アンジェリカ・ヒューストン、ミッキー・ローク、ロザンナ・アークウェット、ジャン-マイケル・ビンセント、その他大勢

 暖かくなりましたね。皆さんいかがお過ごしでしょうか。あともう1週間でGW期間に突入しますけど、私はいつものごとくレンタル鑑賞三昧になるかな。旅行とか遠出とかね、もうどこも人で一杯になりますしね・・・。

【ストーリー】
 アメリカ。刑務所を出所したビリーは、早々の生理現象を我慢しバスに乗る。町に着き、散々うろついたビリーが行き着いた先は、あるダンス教室。そこのトイレに駆け込むも、脇に立つ男が邪魔で出るものも出なくなる。キレるビリー。通りがかった生徒の少女レイラから小銭をブン借り、実家へ電話をするビリー。そして、突如レイラを誘拐し、彼女の車で実家に向うビリー・・・。



【感想と雑談】
 また今更感な作品を出してしまいました。ミニシアター系ですね。初公開の時、強烈なポスターに大丈夫かな?と思いました。渋い色調に浮ぶ二人の男女。このビンセント・ギャロってヤツの顔付き。ちょっと怖い。クリスティーナ・リッチもなんだかケバい。

 でも、ビデオになってからですが、実際観てみたら、これが実に素晴らしい作品でありました。以降もちょくちょく見直すようになり、前回の「愛しのローズマリー」('01)同様に、これもカルト扱いになってしまいました。調べると、一般的にもカルトの称号が付いてるみたいです。

 ビリーは出所後に実家に電話をしますが、刑務所務めのことは内緒にし、政府の仕事で家を離れていたこと、そして嫁と一緒に町に戻ってきたことにします。それらしい嘘を付きまくるビリーに、ママは嫁に会わせろ早くしろと煩い。どうしよう。ある決心をしたビリーは、通りがかった少女レイラを羽交い締めにし、オレの嫁を演じろと迫ります。



 ビリーを演じるビンセント・ギャロですが、本作で初めて知りました。その風貌がなんというのか、鋭いというか、繊細というか。華奢で神経質そうな言動からして、架空の役ではなく、現実のギャロ本人そのものを演じているんじゃないかと思えるくらいの生々しさがあります。監督、脚本、音楽、主演まで手がけたオレ様流であり、なにか鬼気迫るものも感じます。

 ダンス教室に通う少女レイラを演じるは出ましたクリスティーナ・リッチ。この時まだ10代。幼さを残し、ポッチャリ殿堂入りを果すくらいの体型が、まず目に染みます。ケバい化粧と体型がアンマッチすぎて、登場したての頃はうわぁーと思えるのですが、これが後に殿方のハートに侵食していく存在になるとは、まさかのリッチ。天使ですよ天使。他の作品でここまで気になったことないです。

 出所した早々に股間をモゾモゾし、バスを降りてから通行人にトイレの場所を聞きオロオロしまくるビリーの姿は、威勢を張った小心者のチンピラです。トイレで他の男(弱そうな)と二人きりになった際は容赦なく喧嘩を売るけど、威勢よくレイラを誘拐しても、その後の行動はお粗末なものです。



 ハッタリをかまし威嚇してくるビリーを、見透すように相手していくレイラがすさまじくいいです。小便を我慢していたビリーは、車を止めレイラを運転席に残したまま野ションに向かいます。こっち見るんじゃねーぞ、と遠くから凄むビリー。そのまま運転して逃げられるよねレイラ(笑)。でもそうしません。戻ったビリーは放尿が快感すぎたのか、オォウ・・・フゥウ・・・ホォウ、となかなか言い出せませんが、レイラは黙って聞き入ります。

 家で待ち構えるパパとママはビリーにとって苦痛の存在です。幼少の頃からずさんな育て方をされてきて恨み全開だというのに、その一方では両親には子供として全うしたい。そんな狭間に押し潰されそうになるビリーの姿はとても痛々しく、一家がテーブルを囲むところを夫々の視点で切り替えていくような演出も相まって、印象深いエピソードになっています。

 実家を後にしたビリーは礼とともに解放を告げますが、レイラは逆に離れようとしません。ビリーの繊細な心にレイラは惹かれるようになったのです。恋人のように接するレイラは、既に愛くるしい存在になっていますが、ボーリング場で披露する謎のタップダンスや、記念写真を撮る時のおどけた表情などは、極上の萌えポイントともいえましょう。



 ビリーには重要な目的がありました。それは自分が投獄されるきっかけとなったアメフト賭博に関しある男に復讐をすること。その男が経営するストリップ小屋に潜入し、ドギツイ照明におっぱいが振り回される中、ビリーは男を発見し拳銃を向けます。そして・・・。

 このストリップ小屋での出来事はちょっとした見物です。この少し後で流行り出す「マトリックス」('99)を思い出すもので、それを知ってのことかそれとも先見の明なのか、それまでの雰囲気からしてとにかく衝撃的な演出が拝めます。え、なにこれ、みたいな(笑)。

 出演陣が豪華めである以外、大作にはほど遠い作りで、出だしからのアクの強さには躊躇しそうなものですが、すぐに引き込まれると思います。制作費は関係ないですね。何よりもビンセント・ギャロの繊細な切り口が素晴らしく、これにクリスティーナ・リッチを起用したことで奇跡となった逸品といえましょう。

 これを観てクリスティーナ・リッチを嫁にしたいと思う殿方は多いと思うです。(今年34歳だそうですが、まだまだいい感じ)


(C)1997 CINEPIX FILM PROPERTIES,INC.
【出典】『バッファロー’66』/ポニーキャニオン

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