2012年8月13日月曜日

映画『ロボコップ2』 ・・・マスコミ取材陣が「新型ロボに嫉妬してますか?!」と突撃質問します

●原題:RoboCop 2
●ジャンル:アクション/犯罪/SF
●上映時間:117min
●製作年:1990年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:アービン・カーシュナー
◆出演:ピーター・ウェラー、ナンシー・アレン、トム・ヌーナン、ベリンダ・バウアー、ダン・オハーリー、その他大勢

 暑いです。残暑ってやつですか。まあ、気が付いたら涼しくなってたよ、なんてことりなりそうですが、今この瞬間、とにかく暑いです(笑)。

【ストーリー】
 未来のアメリカ。市政悪化で巨大企業オムニ社の支配下に置かれようとしているデトロイト市。警察まで民営化するオムニ社は犯罪撲滅を目的に生体ロボコップの投入に躍起になっていた。かつて開発に成功した1号は問題児扱いされ、次なる2号の開発に取り組む開発陣。紆余曲折の末、その母体に選ばれたのは、麻薬組織の凶悪な犯罪者ケインであった・・・。



【感想と雑談】
 さて、この夏休み期間の茹だるような暑さの中、午後のロードショーで流れるような作品といえば、この『ロボコップ2』でございましょう。もう、ここのタイトル「懐かしのB級偏り放題」とかにした方がいいかもしれませんね。

 久々に観ましたが、やっぱり面白いです。

 シリーズ失速の法則が存在する中、これはかなり頑張っている作品ではないでしょうか。前作の監督ポール・バーホーベンは続投しておらず、代わりにアービン・カーシュナーが引き継いでいる本作は、一般的に評価は低いのですが、私には掴みがOK過ぎていて、ゲップが出るほどです。



 退廃したデトロイト市のヌメリ感やバイオレンス感が最高だった1作目と打って変わって、本作はいかにもアメリカンな色彩にカラッとした空気なんですが、バイオレンス感では負けていないか、もしくはその上をいっていると思うし、銃器の拘りなんかも健在です。これが重要。

 銃撃戦における怒涛の小銃・サブマシンガンの掃射や、着弾時のド派手な血飛沫、そして無意味に人体を切り刻んだりと、異様に残酷さを強調した演出が多く、特に新型ロボコップ(2号)と化した犯罪者ケインが、暗闇の工場の中、麻薬組織らを殲滅するシーンは、前述の演出が過多ゆえにトラウマになるほどです。

 ケインが標的の中に元恋人を発見した時、急に大人しくなって頭部のモニタに擬似的に生前の自分の顔を映すところは、今観たら笑っちゃうかな・・・と思っていたのですが、その不気味さやサスペンス感は健在でありました。突然ブオォォォンと唸ったかと思ったら戦闘モードに再突入し、元恋人の首をベキッとへし折るところは、初見の劇場鑑賞時では手に汗モード過ぎて参るほどでした(笑;)。


 
 今回、改めてDVDで観直してみて、相変わらずの怖さや面白さを堪能しましたが、当時は知る由もなかったネタや、新たに気に入った点が発見できたのも良かったです。
 
 後に『シンシティ』や『300』等に携わるフランク・ミラーが脚本・カメオ出演(警官役かな)してたらしく、エンドタイトルで名前を見つけた時はへぇーとなってしまいました。ただし本人曰く、脚本が弄られ過ぎて訳わからん出来になってしまっているとのこと。忠実に作ってたらどんな出来になってたんだろう。
 
 また、笑ってしまったのが、クライマックスでのマスコミ取材陣。オムニ社が新型ロボコップ(2号)を大々的にお披露目したら、ケインがバカなので暴走しちゃって群集を惨殺し始めます。それを抑えようと大奮闘し、地下室でガス爆発までさせて散々ボロボロになって地面に這い上がってくるロボコップ1号。
 
 そこにマスコミ取材陣が殺到し、「嫉妬してますか?!新型ロボに嫉妬してますか??!!」と突撃質問。アホか。何だよ嫉妬って。当時からマスコミのクズさ加減まで大風刺していた、ということで私は再評価したいです。


(アホなマスコミ陣は、後にケインの餌食になります。)
 
 映像技術はもう一歩のところでレトロ感は拭えませんし(それでもフィル・ティペットのモーションアニメは見事)、ロボット警官なんてよく考えたら笑っちゃう存在ですが、これを過激にバイオレンスにしたことで、後に評価し続けられる(私によって 笑)作品に昇華しているのだと思います。『アイアンマン2』ではオマージュなシーンがあったし、意外と人気あるんじゃないですかね?
 
 過激さを反省したのか知らんですが、3作目の『ロボコップ3』('93)は妙に道徳感に溢れた内容になってしまって、全く面白くも何ともない出来になっていました。空飛ぶのも当時は早すぎたんじゃないでしょうか。ある意味トラウマとカタルシスがないと作品に魅力は付かないものですね。

 蛇足ですが、アービン・カーシュナー監督は、『スターウォーズ/帝国の逆襲』('80)でも、トーントーンの腹を割いていたので、元から残酷好きのお方だった模様です・・・。

<2012/9/16追記>
 たった今、『ロボコップ』リメイク版が製作中であることを知りました。2013年公開予定だとか。バイオレンス度が気になります。


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【出典】『ロボコップ2』/20世紀フォックスホームエンターテイメントジャパン

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