2013年12月23日月曜日

映画『デルタ・フォース』 ・・・無双チャック・ノリスによる安定のテロリスト討伐です

●原題:The Delta Force
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/ドラマ
●上映時間:125min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ/イスラエル
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:メナハム・ゴーラン
◆出演:チャック・ノリス、リー・マービン、ロバート・フォスター、ジョージ・ケネディ、ロバート・ボーン、レイニー・カザン、ジャンナ・シグラ、ボー・スベンソン、シェリー・ウィンターズ、マーチン・バルサム、その他大勢

 12月もそろそろ終わりに近づいてますね。イコール今年も終わりってことか。。。前回の年越しからあっという間。まあ、あと何日かは残ってますので、2013年がうまく締めくくれるよう、頑張っていきましょう。今回も誰得な映画記事です。

【ストーリー】
 カイロ発アテネ経由ニューヨーク行きの旅客機がイスラム系のテロリストにハイジャックされる。到着した先のアルジェリアで早速出動する対テロ部隊のデルタフォースであったが、途中の給油地ベイルートでユダヤ人乗客が降ろされ他の場所に監禁されてることを知るや、救出作戦の中止を余儀なくされ、その際の不手際で乗客の1名が見せしめに殺されてしまう。そして再びベイルートに向うハイジャック機。エース隊員のマッコイ少佐を先頭に、デルタフォースは再度の人質救出に向うが。。。



【感想と雑談】
 先日、泊まりの出張に行った際、アフターファイブはやることないので、ホテルで読書でもしようと、ある古本屋に入ったのです。何かないかと探し回って目に入ったこの一冊。「世界の特殊部隊100」。お手頃なサイズと値段。即買いました。

 世界各国で活動する特殊部隊ごとに最強度ランク付けして、沿革や特徴を上手く纏め上げてる本です。もともと特殊部隊には興味あったので楽しめました。この本で世界最強1位にランクされてるのが、英国陸軍のSASなんですね。第二次大戦から敵を攪乱する部隊として始まった歴史を持ち、対応力、知性、伝統、などのレーダーチャートでは全項目満点を誇る、まさに世界最強の特殊部隊。

 で、世界最強2位に入ったのが、でました米国陸軍のデルタフォース。SASを見本として立ち上げられ、対テロ能力も兼ね備えるという、米国が誇る特殊部隊です。任務上、民間人を装うこともあるそうで、紹介写真からは成るほど、髭ヅラ&アウトドアな出で立ち。ちょっと見はワイルドなハンター親父(笑)。

 この本、最強10位までの特殊部隊が登場するエンタテイメント作品も紹介しているのですが、デルタフォースで紹介されたのが『ザ・ユニット 米軍極秘部隊』なんです。米国の人気ドラマだって。へ?なにそれ??デルタフォースといえば、チャック・ノリスの『デルタ・フォース』なんじゃないの??!!



 という訳で、意外な選定をされプンプン気分になった今回は、これまた古いのですが『デルタ・フォース』('86)を紹介することにします。前置きがなげーよ。

 初公開で観た以降、ハイジャック犯を特殊部隊が痛めつけるという、大半が勧善懲悪なB級作品という位置付けでした。今回、久々に見直したところ、なんだか奥深い作品だったんだと、再認識した次第です。イスラエル人のメナハム・ゴーランが制作しているのですが、ユダヤ贔屓でもなく、イスラム側にも対等にドラマ性を持たせているのが、まず印象的です。ハイジャックの成否で苦悩する面や、乗客をいたわるところとか、ちょっと感情移入するじゃんか。

 やがて、デルタフォース部隊のアレクサンダー大佐が出発5分前でやきもきしてるところに、颯爽とマッコイ少佐が駆け付ける辺りから、ゴリ押しのアクション展開に雪崩れ込んでいきます。多くの方がバラエティ番組で耳にしているであろう、本作のズンドコなテーマ曲がそんなノリを加速します。

 輸送機C−130から吐き出れる、重装備のペッタンコなバギーと、ミサイル搭載のバイク。デルタフォースの装備って凄いんだな?当事のアクション風情や作り手の志からして架空のプロップ群ですが、夜間活動でブルーに光るヘッドライトが、ちょっと未来的でカッコイイと思いました。



 エース隊員のマッコイ少佐を演じるのは我らがチャック・ノリス(後継者は勿論スチーブン・セガールですよね)。ベイルートで斥候中に敵に見付かり逃走するとこでは、ミニウージーの片手撃ちで追手を粉砕。安定のノリス節を堪能。続いて、敵のトラックを通せんぼしたマッコイ少佐はバイクからミサイルを発射。敵、木っ端微塵です。マッコイ少佐は敵の銃弾を一発も食らうことはありません。

 クライマックス付近で、遂にハイジャック主犯格のテロリストを追い詰めるマッコイ少佐。まず、十八番の格闘でのします。冒頭で苦悩面を見せたテロリストなので、ちょっと可哀想になりますが、安定のノリス節は容赦しません。テロリストは一応悪らしい最期を遂げます。あ、チャック・ノリスといえば、最近『エクスペンダブルズ2』に出演されてましたね。アウトローな役がいかにもでした(笑)。

 本作は、実話の「トランス・ワールド航空847便テロ事件」をもとにして作られていて、ラストも忠実にしたのか脚色したのか不明ですが、助かった乗客らと作戦完了のデルタフォースの表情が全く正反対なところが、印象的だったりします。デルタフォースも完全無敵ではなく、銃弾に倒れる隊員はいたりするのです。そんな悲劇のことを知らずに浮かれる乗客らを尻目に、気を取り直したデルタフォースはC−130に乗り込み帰路に着きます。そして・・・ズンドコなテーマ曲が颯爽と流れ出し、これまでの不幸がなかったかのような高揚感に包まれます。うん、まあ、これでいいんだよな。



 マッコイ少佐のボスに当るアレクサンダー大佐をリー・マービンが演じています。かなり歳いってますが、芯があって頑固そうなところがカッコよくて頼もしい存在です。他の作品では『北国の帝王』(’73)くらいしか思い浮かびませんが、いい役者だと思います。残念ながら本作が遺作となってしまいました。

 イスラエル人の製作によって、イスラエルでロケされ、イスラエルから軍用機を拝借した・・・という本作は完全なイスラエル作品ですが、アメリカ&ユダヤ寄りオンリーでもなく、特に旅客機内でのテロリストと乗客のやりとりには関心させられる点が多々あって、ちょっと侮れないところがあります。まあ、作り手の腹の中まではわかりませんけどね。一見、ズンドコなテーマ曲に乗ってアメリカ万歳!なんですが、実はそうでもない結構見所ある作品なんだと思います。

 そういえば、前述の世界最強の英国陸軍SASですが、これの登場した作品としてゲームの「コールオブデューティ」が紹介されていました。ゲームかよ。映画としては、大使館乗っ取りテロリストを殲滅する様を淡々と描いた『ファイナル・オプション』(’82)という作品もあるのですが、これビデオ版以降、ソフト化されていない(DVD版は途中で廃盤になってるっぽい)のですね。また観たいのだけど、再DVD&ブルーレイ出してくんないかなー。

『The Delta Force - Alan Silvestri』
オマケ。どっかで聞いたであろう本作のテーマ曲です。元気がでそう?ちなみにアラン・ シルベストリ作曲だって。



(C)MCMLXXXVI CANNON PRODUCTIONS N.V. ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『デルタ・フォース』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2 件のコメント:

  1. yakuと申します。

    レモ/第一の挑戦やジャガーノートに引かれてやってまいりました。

    デルタフォースに記載のファイナルオプションですが、以下で販売しています。
    http://www.allcinema.net/dvd/wdw.html
    amazonでも購入できますよ。

    とってもC級な映画に偏った映画評、とても面白く拝読しました。
    ほぼ全て見ている自分にあきれてますが、フムフムと読ませていただいてます。

    今後もがんばって下さい。

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  2. >yaku様
    レモやジャガーノート経由でお越し頂き、ありがとうございます!
    yaku様も古きよき映画に精通されているようで嬉しく思います。

    また「ファイナルオプション」の情報もありがとうございます。
    紹介頂いたHPを見ましたが、貼られたショットの綺麗さに驚きました。
    HDニューマスターっていいですね。
    ただ、残念なことにブルーレイを再生できる環境がないので暫くお預けとなりますが(笑;)。

    スターウォーズ記事にもコメント頂きありがとうございます。
    そちらでも返事させて頂きますね。

    コメントありがとうございました♪

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