2015年7月12日日曜日

映画『カリフォルニア・ドールズ』 ・・・女子プロレスでアメリカンドリームを目指します

●原題:...All the Marbles
●ジャンル:アクション/コメディ/ドラマ/ロマンス/スポーツ
●上映時間:113min
●製作年:1981年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ロバート・アルドリッチ
◆出演:ピーター・フォーク、ヴィッキー・フレデリック、ローレン・ランドン、バート・ヤング、トレイシー・リード、アーサリン・ブライアント、リチャード・ジャッケル、ミミ萩原、ジャンボ堀、その他観客大勢

 いきなり暑いですね。皆さんいかがお過ごしでしょうか?7月も中旬あたりでそろそろ夏休みの準備でしょうか(笑)。
 今回は、古いですが、なかなか侮れないスポーツ作品の紹介です。

【ストーリー】
 アメリカ。美貌の女子プロレスコンビ、カリフォルニア・ドールズのアイリスとモリーは今日もマネージャのハリーと共に安い興行で汗を流していた。上を目指したいのに泣かず飛ばずの二人だったが、ひょんなことからある試合に勝ってしまい、世間の注目を集めることになる。そして、全米人気の一大プロレス興行にも呼ばれるようになり・・・。



【感想と雑談】
 80年代初頭の作品です。散々テレビ放映されてたと思うのですが、当時はこの手のジャンルは興味がなかったのか観た覚えがありません。ロバート・アルドリッチ監督といえば、その他の作品はテレビで何本か見ていましたが、男気溢れる骨太な作風の印象でした。

 本作では女子プロレスを題材にしていますが、監督にかかれば、骨太な世界に変わりはなかったようです。女社会ではあるけども、一般の女性観は排除して、ハードスポーツに生きる女性らを引き気味に痛快に描いてます。マネージャ男との細かな関係があったりしても、いつまでもグズグズせず、どんどん切り捨てていく感じ。

 冒頭、ミミ萩原とジャンボ堀との対戦後に意味深な日本人が現れたりもしますが、当然その場しのぎの単なるイベントです。主人公らの道を阻むライバルや悪徳プロモーターらの本筋となる存在も、ヘタなドラマを生むことなく、一貫しているのが潔い。噂に聞いていた通りの面白さでした。



 さて、女性同士の格闘といえばキャットファイトです。しかも女子プロレスとくれば、究極のキャットファイト です。主人公カリフォルニア・ドールズのアイリスとモリーを演じるヴィッキー・フレデリックとローレン・ランドンによる、ホントに女優なのかと疑わざるを得ない格闘レベルは、まさにキャットファイトの至高ともいえましょう。

 映画的な演出をせず、リングの様子を引き気味に撮っています。まるで観客かテレビの視聴者が淡々と目撃していくような視点になっていて、誤魔化しがありません。観客の声援、マネージャの怒号、レフェリーの行動も含め、ホンモノの女子プロレスの空気になっています。

 全米放映される一大イベントのクライマックス。因縁のライバルチームとの試合を、試合時間の30分とほぼ同じ尺で描いていて、これがまた手に汗握ったりします。それまでの主人公らを巡る様々な要素がいっきに集約されていて、要はイカサマ行為が乱発されるのですが、それがどう決着するのか気になって仕方ないです。



 押され気味のカリフォルニア・ドールズが、一瞬でイカサマ行為とライバルチームをひっくり返すところは、あまりに急転すぎる痛快さで爆笑してしまいました。あれは凄かった(笑)。これがアルドリッチ監督の真骨頂か。心のガッツポーズも発動しまくりです。

 マネージャのハリーを演じるのはピーター・フォークなんですが、刑事コロンボの印象がどうしても強いので(笑)、後先考えない図太いキャラというのは新鮮でした。また、途中トラブルからブチ切れてプロモーターの高級車をバットで破壊するところは、そういう描写の走りなんじゃないかな、とふと思いました。どうなんだろう。

 クライマックスの試合後、因縁のライバルチームがカリフォルニア・ドールズに取る行動には、とても感動しました。あれだけの関係であっても、スポーツの原点に戻って、潔い考えに触れたアルドリッチ監督、ホントにグッドジョブです。

 そういえば、同監督の『ロンゲスト・ヤード』('74)も刑務所の男社会でアメフト試合を痛快にこなす作品でしたが、こちらも最後に看守の囚人に対する敬意がさらりと描かれていて、子供心にも感銘を受けた思い出があります。アルドリッチ監督の遺作となった本作は非常に趣深い作品だと思います。

 そうそう、ソフト化にはなんと昔のテレビ放映時の吹替えも入っています。力いっぱい昭和な(笑)吹替えで鑑賞するのも一興でしょう。


 泥レス試合のオッパイぽろりは究極のオマケ。


(C)1981 by Metro-Goldwyn-mayer Film Co.and SLM Entertainment,Ltd.
【出典】『カリフォルニア・ドールズ』/ワーナー・ブラザース・ホームエンターテイメント
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2 件のコメント:

  1. おはようございます!
    この映画にゾーイ様が出演されてたんですね!
    これは見なければ・・・(笑)

    記事に貼ってある写真にいらっしゃるのでしょうか?
    わからなくて悔しいです(笑)

    久しぶりにゾーイ・ベルのウィキを見てますが、
    LOSTにも出てたなど、見落としてる作品の多さに
    愕然としてます(^▽^;)

    イングロリアスバスターズなんてどこだろう??
    最初にメラリーロランが走って逃げる後ろ姿??謎です(笑)

    しかしこの映画、ピーターフォークの出演もですがミミ萩原ですか?(笑)
    初代タイガーマスクの大ファンでプロレスも見てましたので、彼女の名前は
    知ってました。当時は長与千種とライオネス飛鳥のクラッシュギャルズが全盛だったような?

    話がそれました(笑)

    いずれにせよ、気になる方の主演の多いこの
    作品もチェックリストに入れました!見たら改めてお邪魔させていただきます!(^^♪

    今日は懐かしい名前、ミミ萩原に凸です!!(笑)

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  2. >take51様
    ゾーイ様の件は、こちらの記事ではなく「エクスペンダブル・レディズ」の記事へ追加した、という意味だったのですよ〜。スカート姿でハイキックの図なんですが(笑;)。
    本当に紛らわしくてごめんなさい!!

    しかし、本作は本作でゾーイ様が出てもまったくおかしくない内容でした。女子プロレスとくればアクション以外の何者でもないですからね。

    カリフォルニア・ドールズの二人を演じる女優なんですが、どう見ても正真正銘のプロレスをやってるんですよ。元格闘家とかだったらわかるのですが、そうでなければ、かなりの特訓をしたんだろうな、と思いますね。
    まあ、でも昔(今でも?)のめちゃイケでも、女子アイドルと芸人らが結構ガチの女子プロレスやってたので、意外とこなせるものなのかもしれません。

    古い作品ですが、後半の長尺の試合は見所だと思います。もしご覧になられたら、感想お聞かせ下さいね。

    ちなみに、ミミ萩原は昔、成田空港で目撃した思い出があります(笑)。

    応援コメントありがとうございます♪

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