2013年2月10日日曜日

映画『ドライブ・アングリー』 ・・・ニコラス・ケイジが邪教集団に挑みますが、何か変です


●原題:Drive Angry
●ジャンル:アクション/犯罪/ファンタジー/スリラー
●上映時間:104min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:パトリック・ルシエ
◆出演:ニコラス・ケイジ、アンバー・ハード、ウィリアム・フィクナー、ビリー・バーク、シャルロット・ロス、デビッド・モース、トム・アトキンス、その他大勢

 やべえ。今年ももう2月だよ。実は1月からいきなりバタバタし出してしまい、その上体調不良にも陥ってしまいました。幸いインフルエンザではありませんでしたが。皆さんもご自愛くださいませ。
ということで今回は、仕事を選ばないニコラス・ケイジの作品です。

【ストーリー】
 アメリカ。邪教集団によって最愛の娘を殺され、孫の赤ん坊を連れ去られた男ミルトンは、今日も元気にチンピラ信者を血祭りに上げる。邪教集団が満月の夜に孫の生贄イベントを開催することを察知したミルトンは、ウェイトレス女のパイパーを仲間にし、アクセル全開で燃えまくる。警察も巻き込み一大騒動へと発展するが、そんな状況にミルトンを執拗に追跡する謎の男が現れる・・・。



【感想と雑談】
 一見、ニコラス・ケイジとカーアクションの組み合わせだけのようで興味が湧きませんが、たまたま予告篇を見た時、かなりの衝撃が走ってしまいました。何だこの漲るヘンテコ感は。速攻で借りてみました。

 作り手の、ヒーロー、アクション、そしてセックスに対する熱い思いが、普通の映画に見られない志で暴走しています。常にパワフルで後先考えない展開。ファミリー鑑賞では気まずさ満点。だからバカ映画と呼びます。

 開始早々、胡散臭い主人公ミルトンと邪教集団の下っ端信者の戦闘が描かれます。ミルトンのショットガンでいきなり手首や足を吹っ飛ばされる信者。その場を去るミルトンの背後で車がズガーンと爆発したところでタイトルバック。のっけから飛ばしてます。ミルトン演じるはニコラス・ケイジ。幾つになってもこんな役をやるケイジは素敵だと思います。



 ミルトンが一服つけるレストランでは、ウェイトレスのパイパーが登場します。同僚と下品な会話をする一方で、一杯のかけそば的ファミリーには心優しく大サービス。スケベな店主のキンタマを握り潰し、中指おっ立て自ら退職するナイスなヒロインです。演じるのはアンバー・ハード。素でタトゥー入ってそうな強気の姉ちゃん風味。美人さんです。

 ミルトンとパイパーがレストランから去ると、謎のスーツ男がどこからともなく出現。店主に「おいそこのデブ」と言います。ユーモアめいた言動で痛快。以降、何か揉め事がある度に、目の前でコインを真上に放り投げる謎の男。落ちてきたコインを掴んだ直後、ズバンと突き出す手に握るのが、FBIの身分証明だったりします。手品か。

 普通、落ちてきたコインを手の甲で隠して裏表どっちを選ぶ?を期待しますが、結局、FBIであることをアピールするだけという。コインの立場は。こういうところがとってもバカだと思うのです。謎の男を演じるはウィリアム・フィクナー。善人から悪人まで何でもこなす好きな役者です。



 やたらとアイテムやらオブジェやらが、飛んできたり、突き出されたりするのですが、これって3D映画だったのですね。後になって気づきました(笑)。もともとのバカ演出でインパクト大のところに3Dは余計なんじゃないかな。むしろ邪魔になってる気もしますが。劇場鑑賞された方はお疲れ様と思うです。

 印象的だったのが、ミルトンがバーの女をナンパした後の出来事。モーテルの一室で全裸のバー女が、服を着たままのミルトンに乗っかり喘いでいます。

 バー女   「脱がないの?」
 ミルトン 「銃撃戦の前は脱がない」
 バー女   「・・・」

 その直後、部屋に突入してきた信者連中に、ミルトンは銃とウィスキーを掴み応戦します。バー女と合体したまま。薬莢がヒュンヒュン音立てて画面を横切ります。アホか。

 このモーテルの合体銃撃戦もそうですが、どっかで見たような場面が多く、過去の色んなB級作品のオマージュやらリスペクトが込められてる気がします。邪教集団が田舎町の住人で占めていて、キャンピングカー中心のカーチェイスや生贄イベントをやるくだりから、全体的に『悪魔の追跡』('75)の要素を最も思い出しましたが、実際どうなのでしょうか。



 中盤以降、ミルトンと謎の男の尋常でない素性や関係から、本作がアクションだけの作品ではないことがわかってきます。まあ、これはオープニングからでも予告篇からでも何となくわかるんですけどね。しかしまあ、役者揃いだと思います。前述の3人以外にも、トム・アトキンスやデビッド・モースなんかも出てきますからね。デビッド・モースはとにかくガタイが凄い。何頭身なんだよこの人。

 クライマックス。満月の生贄イベントに間に合ったミルトンは、会場を車で爆走し信者を粉々にしていきます。果たしてミルトンは、孫の赤ん坊を教祖の手から奪還することができるのでしょうか・・・。

 結構な役者らが意気揚々と演じているようで潔いです。バカ映画であることを分かりきってるのだろうな。密接な関係にあるミルトンと謎の男の設定が両極端すぎるところが、特にバカ映画としての見せ場であるといえましょう。たまにこういうのを観ると幸せになれます。


 何も残りませんが。


(C) 2010 M4 FILMS,INC.All Rights Reserved.
【出典】『ドライブ・アングリー』/Happinet

にほんブログ村 映画ブログへにほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ
ブログパーツ

0 コメント:

コメントを投稿