2013年12月29日日曜日

映画『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』 ・・・有名女優のカミさんをもつと、いろいろと大変な模様です

●原題:Ma femme est une actrice
●ジャンル:コメディ/ドラマ/ロマンス
●上映時間:95min
●製作年:2001年
●製作国:フランス
●言語:フランス語
●カラー:カラー
◆監督:イヴァン・アタル
◆出演:シャルロット・ゲンズブール、イヴァン・アタル、テレンス・スタンプ、ノエミ・ルヴォウスキー、ローラン・バトー、 キース・アレン、ジョー・マキンス、リュディヴィーヌ・サニエ、ライオネル・アベランスキ、その他大勢

 皆さんお元気でしょうか?あとわずかで年越しですね。安全面、健康面には十分気を付けて、いい正月を迎えたいものです。今回は久々のフランス映画です。

【ストーリー】
 フランス。スポーツ記者のイヴァンは気が気でない毎日を送っていた。その理由は、彼の妻が大女優シャルロット・ゲンズブールだから。美しい妻を持つのはいいが、有名人でもある故、外に出ればファンに追われる始末で落ち着かない。ある日のこと、新作の撮影の為にシャルロットが渡英すると、そこではダンディ男優とのベッドシーンが待っていた。それを知ったイヴァンは居ても立ってもいられなくなり、ある行動にでるのだが・・・。



【感想と雑談】
 何かとヒドいブログですけどね、年末の最後の更新になりますし、こういう時にはお洒落な作品も観るんだぜ参ったか、ということで、そういう訳なんです。

 タイトルに実在の女優名が使われてるのを見て思わず手にとった本作。シャルロット・ゲンズブールは、『メランコリア』('11)の惑星衝突に戦く主婦役しかまともに見ていませんが、そのあまりの悲惨さにお腹いっぱいの印象でした。あの女優がカミさんなのかよ・・・。10年前の作品なのできっと大丈夫かな。

 開始早々、シャルロットの登場です。うん若い。彼女と夫イヴァンと彼の姉夫婦の4人がレストランで会話する様を、カメラは彼らを中心に回りながら撮り続けます。こういう長回し演出って大好きなんで掴みはOKってやつ。タランティーノの『デスプルーフ』('07)でも、ファストフードで女の子らが延々ダベってるのを同じように撮ってましたね。



 シャルロットは有名女優なので、彼女の存在に気付いた一般人らがサインをせびりに来ます。そんなのがウンザリなイヴァンは何とかならないかと溜め息が止みません。しかし、この有名であるはずのシャルロット、なんといいますか、パッとしない印象を受けます。本人が本人の役をやってるので、やっぱしこれが地なのだろうか。まあ、彼女を見るのまだ2回目だし、見た目とは桁違いの実力をお持ちなんだろうと想像しておきます。

 夫イヴァンですが、なんと演じるイヴァン・アタルも本人役をやっていて、二人は実生活でも本当の夫婦なのだそう。俳優夫婦が映画の中で同じく自分らを演じているという作品でした。こういうのをメタ的な映画っていうんですかね。そんな設定ですが、中身はなかなか軽快にテンポよく進んでいきます。会話のアクセントも相俟って、ああ、なかなかのフランス映画なんでないかいと、ちょっと気をよくしていると。。。

 脚本通りだというのに、ひとりヌードになるのが嫌なシャルロットは監督に対し「私もやるんだから皆もヌードになってよ」とワガママを言います。眉間にしわ寄せる監督。その後、イヴァンがフランスから駆け付けると、スタジオは監督以下スタッフ全員が全裸というヌーディスト村になっていました。



 撮影用具を付けてる以外は全裸なんです。堂々と振る舞う男性スタッフの股間にカメラが寄ります。チ○コまる見えじゃんか!一瞬、作り物かと思いましたが、本物でした。女性スタッフはというと同じく全裸ですが、ウェストポーチがうまく股間を隠しているのでした。なんだよ。無修正は歓迎な自分ですが、作風からして予想外の描写で、せっかくのお洒落な気分が台無しになっちゃった。

 シャルロットが英国で共演する男優をテレンス・スタンプが演じてます。シャルロットとのベッドシーンの相手。この方も名優ですよね。私にとっては『スーパーマンII』('81)のゾッド将軍なんですが(笑)。こんなクールでダンディすぎる英国男にシャルロットを寝取られないかとイヴァンも焦りまくりな訳です。

 ちょっと気になったのが、男性はそうでないのに女性らがやたらとタバコをふかすところ。主役のシャルロットからして堂々と吸うし、イヴァンの姉は妊娠中というのにヘビースモーカーしてます。これはフランス女の何かを象徴でもしているのかな。シャルロットについては、特典映像の来日インタビューでも堂々と吸っていたので、本当にタバコ好きというのはわかりました。



 シャルロットが英国に入り浸りになってから、次第に投げやりになっていくイヴァン。知り合った女性から強引にアプローチされる様を、帰国したシャルロットに目撃されてしまいます。亀裂の入った二人に待つ運命とは・・・。

 並行して描かれる、ユダヤ教に傾倒し割愛を熱望する妊娠中のイヴァンの姉とそれに反対する夫の関係も、子どもが生まれたら生まれたで何だかんだ空気が変わった気がするし、これが影響してシャルロットとイヴァンの落とし所に繋がっていくのでないかと思います。まあ、有名人と共に生活するのは脳内だけにといた方がいいでしょう(笑;)。

 流暢なカメラワークに編集、そして音楽もいい感じで、なかなかスタイリッシュで軽快な作品ではないでしょうか。英国パインウッドスタジオでの全裸事件はビックリしましたが、これは本作の監督でもあるイヴァンの実体験から、女優の悩みに応えるべく反映させた場面なんだそうです。イチモツのアップはいらなかったけど、ブログ的にはネタになったのでありがとう。

<追記>
 シャルロット・ゲンズブールは、ラース・フォン・トリアー監督作では『メランコリア』('11)以外にも、『アンチクライスト』(’09)って作品にも出演されてたのですね。ちょっと調べてみたら、かなり壮絶な内容みたい。レンタルされてるのかな。気になってきたぞ。

・・・・・・
 さて、これで本年は最後となります。ブログ始めて6年目に突入してますが、よくぞ続いていると思います。本年は更新数がやや多くなったし、ちょっと持ち直しもできたかな。これも訪問頂いている皆様のおかげです。ありがとうございました。来年も皆様にとって良い年でありますように。


COPYRIGHT BY KATHARINA/RENN PRODUCTIONS-TF1 FILMS PRODUCTION
【出典】『僕の妻はシャルロット・ゲンズブール』/キングレコード

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2013年12月23日月曜日

映画『デルタ・フォース』 ・・・無双チャック・ノリスによる安定のテロリスト討伐です

●原題:The Delta Force
●ジャンル:アクション/アドベンチャー/ドラマ
●上映時間:125min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ/イスラエル
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:メナハム・ゴーラン
◆出演:チャック・ノリス、リー・マービン、ロバート・フォスター、ジョージ・ケネディ、ロバート・ボーン、レイニー・カザン、ジャンナ・シグラ、ボー・スベンソン、シェリー・ウィンターズ、マーチン・バルサム、その他大勢

 12月もそろそろ終わりに近づいてますね。イコール今年も終わりってことか。。。前回の年越しからあっという間。まあ、あと何日かは残ってますので、2013年がうまく締めくくれるよう、頑張っていきましょう。今回も誰得な映画記事です。

【ストーリー】
 カイロ発アテネ経由ニューヨーク行きの旅客機がイスラム系のテロリストにハイジャックされる。到着した先のアルジェリアで早速出動する対テロ部隊のデルタフォースであったが、途中の給油地ベイルートでユダヤ人乗客が降ろされ他の場所に監禁されてることを知るや、救出作戦の中止を余儀なくされ、その際の不手際で乗客の1名が見せしめに殺されてしまう。そして再びベイルートに向うハイジャック機。エース隊員のマッコイ少佐を先頭に、デルタフォースは再度の人質救出に向うが。。。



【感想と雑談】
 先日、泊まりの出張に行った際、アフターファイブはやることないので、ホテルで読書でもしようと、ある古本屋に入ったのです。何かないかと探し回って目に入ったこの一冊。「世界の特殊部隊100」。お手頃なサイズと値段。即買いました。

 世界各国で活動する特殊部隊ごとに最強度ランク付けして、沿革や特徴を上手く纏め上げてる本です。もともと特殊部隊には興味あったので楽しめました。この本で世界最強1位にランクされてるのが、英国陸軍のSASなんですね。第二次大戦から敵を攪乱する部隊として始まった歴史を持ち、対応力、知性、伝統、などのレーダーチャートでは全項目満点を誇る、まさに世界最強の特殊部隊。

 で、世界最強2位に入ったのが、でました米国陸軍のデルタフォース。SASを見本として立ち上げられ、対テロ能力も兼ね備えるという、米国が誇る特殊部隊です。任務上、民間人を装うこともあるそうで、紹介写真からは成るほど、髭ヅラ&アウトドアな出で立ち。ちょっと見はワイルドなハンター親父(笑)。

 この本、最強10位までの特殊部隊が登場するエンタテイメント作品も紹介しているのですが、デルタフォースで紹介されたのが『ザ・ユニット 米軍極秘部隊』なんです。米国の人気ドラマだって。へ?なにそれ??デルタフォースといえば、チャック・ノリスの『デルタ・フォース』なんじゃないの??!!



 という訳で、意外な選定をされプンプン気分になった今回は、これまた古いのですが『デルタ・フォース』('86)を紹介することにします。前置きがなげーよ。

 初公開で観た以降、ハイジャック犯を特殊部隊が痛めつけるという、大半が勧善懲悪なB級作品という位置付けでした。今回、久々に見直したところ、なんだか奥深い作品だったんだと、再認識した次第です。イスラエル人のメナハム・ゴーランが制作しているのですが、ユダヤ贔屓でもなく、イスラム側にも対等にドラマ性を持たせているのが、まず印象的です。ハイジャックの成否で苦悩する面や、乗客をいたわるところとか、ちょっと感情移入するじゃんか。

 やがて、デルタフォース部隊のアレクサンダー大佐が出発5分前でやきもきしてるところに、颯爽とマッコイ少佐が駆け付ける辺りから、ゴリ押しのアクション展開に雪崩れ込んでいきます。多くの方がバラエティ番組で耳にしているであろう、本作のズンドコなテーマ曲がそんなノリを加速します。

 輸送機C−130から吐き出れる、重装備のペッタンコなバギーと、ミサイル搭載のバイク。デルタフォースの装備って凄いんだな?当事のアクション風情や作り手の志からして架空のプロップ群ですが、夜間活動でブルーに光るヘッドライトが、ちょっと未来的でカッコイイと思いました。



 エース隊員のマッコイ少佐を演じるのは我らがチャック・ノリス(後継者は勿論スチーブン・セガールですよね)。ベイルートで斥候中に敵に見付かり逃走するとこでは、ミニウージーの片手撃ちで追手を粉砕。安定のノリス節を堪能。続いて、敵のトラックを通せんぼしたマッコイ少佐はバイクからミサイルを発射。敵、木っ端微塵です。マッコイ少佐は敵の銃弾を一発も食らうことはありません。

 クライマックス付近で、遂にハイジャック主犯格のテロリストを追い詰めるマッコイ少佐。まず、十八番の格闘でのします。冒頭で苦悩面を見せたテロリストなので、ちょっと可哀想になりますが、安定のノリス節は容赦しません。テロリストは一応悪らしい最期を遂げます。あ、チャック・ノリスといえば、最近『エクスペンダブルズ2』に出演されてましたね。アウトローな役がいかにもでした(笑)。

 本作は、実話の「トランス・ワールド航空847便テロ事件」をもとにして作られていて、ラストも忠実にしたのか脚色したのか不明ですが、助かった乗客らと作戦完了のデルタフォースの表情が全く正反対なところが、印象的だったりします。デルタフォースも完全無敵ではなく、銃弾に倒れる隊員はいたりするのです。そんな悲劇のことを知らずに浮かれる乗客らを尻目に、気を取り直したデルタフォースはC−130に乗り込み帰路に着きます。そして・・・ズンドコなテーマ曲が颯爽と流れ出し、これまでの不幸がなかったかのような高揚感に包まれます。うん、まあ、これでいいんだよな。



 マッコイ少佐のボスに当るアレクサンダー大佐をリー・マービンが演じています。かなり歳いってますが、芯があって頑固そうなところがカッコよくて頼もしい存在です。他の作品では『北国の帝王』(’73)くらいしか思い浮かびませんが、いい役者だと思います。残念ながら本作が遺作となってしまいました。

 イスラエル人の製作によって、イスラエルでロケされ、イスラエルから軍用機を拝借した・・・という本作は完全なイスラエル作品ですが、アメリカ&ユダヤ寄りオンリーでもなく、特に旅客機内でのテロリストと乗客のやりとりには関心させられる点が多々あって、ちょっと侮れないところがあります。まあ、作り手の腹の中まではわかりませんけどね。一見、ズンドコなテーマ曲に乗ってアメリカ万歳!なんですが、実はそうでもない結構見所ある作品なんだと思います。

 そういえば、前述の世界最強の英国陸軍SASですが、これの登場した作品としてゲームの「コールオブデューティ」が紹介されていました。ゲームかよ。映画としては、大使館乗っ取りテロリストを殲滅する様を淡々と描いた『ファイナル・オプション』(’82)という作品もあるのですが、これビデオ版以降、ソフト化されていない(DVD版は途中で廃盤になってるっぽい)のですね。また観たいのだけど、再DVD&ブルーレイ出してくんないかなー。

『The Delta Force - Alan Silvestri』
オマケ。どっかで聞いたであろう本作のテーマ曲です。元気がでそう?ちなみにアラン・ シルベストリ作曲だって。



(C)MCMLXXXVI CANNON PRODUCTIONS N.V. ALL RIGHTS RESERVED
【出典】『デルタ・フォース』/20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2013年12月15日日曜日

a-haの「テイク・オン・ミー(Take On Me)」のPVを久々に観たのですが・・・


 皆さんお元気でしょうか?11月すっ飛ばしての久々の更新になりました。しかし、気がつけば12月も中旬。今年も終わりに近づいてるのかあ・・・。

 という訳で(何が)、Youtubeでふと、a-haのPVを観たくなったので検索してみたのです。

 とにかく、うぉ、懐かしい。

 この曲'85年ということで、もう30年近く前の作品なのですが、まったく色褪せていませんね。曲のキャッチーさ、演出やストーリー性の素晴らしさといい、後世語り継がれる名PVなんじゃないですか。今更なにを言ってるかと思われるかもしれませんが。

 街のレストラン。一人マンガ雑誌に読みふける少女がいました。突然、スリリングなバイクレースの一コマに映る主人公の青年が、少女をマンガの世界に引き込みます。ここから始まる一つの画面で2人を線画と実写で交互に映す手法は今見ても新鮮ですね。

 後半に入ると、青年チームのライバルと思われる悪玉チームが乱入します。楽しそうに歌い踊る2人を遠くに捉えた場面で突如、手前にヌォッと出現する悪人。その構図の素晴らしさ。極悪ヅラがヒシヒシと伝わる戦慄の瞬間です。

 逃げる2人を追う悪人たち。線画メインとなるも、其々が生き生きとした表情を見せる様は圧巻です。ラストでは思わず涙が出そうになるくらいに感動してしまいました。改めてよく出来たPVだと思いました。

 少女役の女優?さんは、実際にボーカルの人と付き合っていたのだとか。彼女、なんか時代を感じさせない可愛さですよね。なるべく30年後の今を想像しないよう働きかけていますが自分。

 a-haはこの後、『007/リビングデイライツ』('87)で主題歌を歌った以降、記憶から消えてしまっていますが、調べたら、2010年12月4日にオスロでのコンサートを最後に解散したのだそうです。割と最近まで活動されていたのですね。

『a-ha - Take On Me (Official Video) 』
 彼女、可愛いですよね。名前なんていうんだろう。イギリスの人だよね、おそらく。


 当ブログのポリシーの一つ「ネタは古さで勝負」の通りの更新でございました。今回も。

 年内に映画記事書けるかどうか・・・まあ、なるようになれで進めていこうと思います。


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