2014年1月25日土曜日

映画『ムービー43』 ・・・誰もが必ず見たことある俳優が3G(下品・下劣・下衆)なことをやっています

●原題:Movie 43
●ジャンル:コメディ
●上映時間:94min
●製作年:2013年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:エリザベス・バンクス、スティーブン・ブリル、スティーブ・カー、ラスティ・カンディーフ、ジェームス・ダフィ、ピーター・ファレリー、パトリック・フォースバーグ、ウィル・グラハム、ジェームズ・ガン、ブレット・ラトナー、ジョナサン・ヴァン・トゥルケン、ボブ・オデンカーク
◆出演:デニス・クエイド、グレッグ・キニア、ヒュー・ジャックマン、ケイト・ウィンスレット、ナオミ・ワッツ、リーヴ・シュライバー、アンナ・ファリス、クリス・プラット、キーラン・カルキン、エマ・ストーン、ジャスティン・ロング、ユマ・サーマン、クリスティン・ベル、リチャード・ギア、ケイト・ボスワース、ジミー・ベネット、クロエ・グレース・モレッツ、ショーン・ウィリアム・スコット、ジョニー・ノックスヴィル、ジェラルド・バトラー、ハル・ベリー、スティーヴン・マーチャント、テレンス・ハワード、エリザベス・バンクス、ジョシュ・デュアメル、その他大勢

 新年明けて(おせーよ)1発目の更新は、あまり健全でない作品の紹介です。インフルエンザとかも流行る時期ですのでダブルパンチです。皆さん、健康には注意していきましょう。

【ストーリー】
 アメリカ。ある映画会社に一人の男が脚本を売り込みにくる。その内容はとにかく酷いものであった。適当に追い払いたい映画会社の担当者であったが、やがて男のペースにはまりこんでしまい・・・。



【感想と雑談】

 開始早々、なんだこれは。

 ヒドい、ヒドすぎる。いつもは素晴らしいドラマで活躍しまくってる俳優らが、あんなことやこんなこと、真逆なことを億面もなく全開でぶちまけています。でも、このヒドさがいい。実は私はこういう作品が大好物。なので、しょっぱなから掴みはOK、楽しめること大暴走でした。

 ハリウッドスターが大挙して出演したトロマ映画、という感じでしょうか。上品なトロマ映画。なんだその例え。製作の首謀者は『メリーに首ったけ』(’98)のピーター・ファレリー監督だそうです。各短編ごとに色んな俳優を投入しているのですが、製作のスタンスとしては、こんな作品に出てくれるだけ有り難いので、延々と俳優の時間が空くのを待ってたようで、完成まで10年かかったそうですよ(笑)。

 デニス・クエイド演じる謎の脚本家と、グレック・キニア演じる映画会社の担当をキーにして、持ち込まれた数々の脚本が再生されていきます。しょっぱなデニスが語る実在女優とのデート大惨事のくだりからして、そういう作品であることがわかります。大丈夫か?楽しいけどな。



 どんな俳優が出てるかというと、上の出演欄を見て欲しいのですが、とにかく凄い布陣です。名前だけズラッと並べると、なんだかお洒落な群像劇が想像できそうですが、全然違うのですこれが。最低映画と評価されてるけど、きっと出来が悪いだけなんだ・・・と思って蓋を開けると、入院一歩手前まで体を壊してしまいました、という状況に陥ります。きっと。

 最初に紹介される脚本内容。一般女性のケイト・ウィンスレットが実業家ヒュー・ジャックマンとのデートに挑みます。レストランでマフラーを取ったヒューにケイトが驚愕。ヒューの喉仏にアレがぶら下がっている。いっこうに気にしない周囲にそれをさりげなく訴えかけるケイトの独壇場となりますが、それに負けじとヒューも喉仏演技で勝負をかけます。素晴らしいバトル。こういうコントどっかで観たことあるぞ。

 男優陣もそうですが、本作はそれ以上に女優陣が織り成す様がド級のインパクトなので、それだけでお腹いっぱい幸せ状態。ケイト・ウィンスレットが筆頭にやってしまった以降、色んな有名女優が負けじと続いて爆進します。



 息子を家庭学習で育てようと高校生活を強烈にシミュレートするナオミ・ワッツがよかったかな。あの若作りの様が(笑)。いい感じに歳とってますワッツ。なんか可愛いよね。

 しかし、なんといっても本作ダントツの体当たりな役をやったのはハル・ベリーでしょう。メキシコ料理のレストランでデートするのですが、ここであるゲームをおっ始めます。段々と過激にエスカレートしていくハルと彼氏。強烈なオチでオスカー女優ハル・ベリーの底力を見た思いです。ハルってオスカー取ってからも作品を選ばない姿勢がいいですよね。『キャットウーマン』('04)とか。

 その他、ユマ・サーマンやクロエ・グレース・モレッツなんかは、過去の主演作を見事パロってると思います。他の俳優陣もそうかもしれませんが、知ってる方が見たら色んな発見があるかもです。



 制作費は600万ドル。600万ドルとえば、『600万ドルの男』('73)を思い出しますが、全然関係ないので隅っこに置いときます。600万ドルって凄い金額だと思うけど、あれだけの俳優に分配したら全然足らないんじゃないか。まあ一人当りの出演時間は短いんでそう額はないとは思うけど。全員が「タダで出演するよ」なんて粋なこと言ってくれるといいのだけどね。速攻でオファーを蹴ったらしいジョージ・クルーニーは頂けないと思います。

 出て来る俳優がほぼ全開で変な役をやっています。ちょっとオマエ何やってんだよ・・・な思いに陥ってしまうかもしれません。しかし、真の俳優こそ渾身の力でバカ演技もこなすという姿勢を感じるし、こういうのを容赦なく力一杯やってしまうのも、またアメリカ映画らしいと思います。トロマ映画とか。あ、またトロマ出しちゃった。トロマ映画に耐性ある方なら、楽勝で粋なコメディ映画として観ることができると思います(笑)。

 監督も大勢で分担してやっていますが、ショートストーリー以外で、合間に入る疑似CMなんかも面白かった。結構センスがあって好き。○体携帯プレイヤー「ibabe」のCMは必見です(笑)。

 俳優の一途なファンの方は要注意だと思いますが。


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【出典】『ムービー43』/角川書店

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