2013年9月29日日曜日

映画『デート・ウィズ・ドリュー』 ・・・ドリュー・バリモア追っかけ野郎の感動ドキュメンタリーです

●原題:My Date with Drew
●ジャンル:ドキュメンタリー
●上映時間:90min
●製作年:2004年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ガン、ブライアン・ハーズリンガー、ブレット・ウィン
◆出演:ブライアン・ハーズリンガー、ドリュー・バリモア、ジョン・オウガスト、エリック・ロバーツ、コリー・フェルドマン、ジョン・ガン、ブレット・ウィン、ケリー・デビッド、ソーニャ・ダーカー、その他大勢

 いい感じに秋の季節になりましたね。昼も夜も過ごしやすいです。食欲の秋でもありますが、食べ過ぎには注意しましょうね。

【ストーリー】
 アメリカ。『E.T.』を観てからドリュー・バリモアの大ファンになった青年ブライアン。彼女のことが頭から離れないまま20年もの月日が経ったある日のこと、クイズ番組に出演したブライアンは、偶然にもドリュー・バリモアに関する問題をクリアする。そして、賞金1,100ドルをゲット。この時ブライアンはとんでもないことを計画する。それはこの賞金を使って30日以内にドリューとデートをするというもの。平凡な青年がハリウッド女優とのギャップを如何にして克服し夢を実現するのか。そんなブライアンを友人一同がドキュメンタリとして追い続ける・・・。



【感想と雑談】

 ”リスクを犯さないのは人生の浪費だ” by ドリュー・バリモア

 今回はやや古めの、しかも滅多に観ることのないドキュメンタリ作品です。ひとりの青年がある夢に向かって行動を起こしますが、その夢というのがハリウッド女優ドリュー・バリモアとデートをすること。なんだか凄く興味が湧きました。相手が誰もが知ってるあのドリューですからね。

 一般の青年ブライアン・ハーズリンガーは、ドリュー・バリモアとほぼ同い年の27歳。幼少時代に観た『E.T.』('82)でドリューの虜になってしまったブライアンは、最近あるクイズ番組で偶然にもドリューに関する問題をクリアします。その時に得た賞金は1,100ドル。

 なかなか定職に就けず生活に困窮するブライアンは、賞金を生活費に当てることも考えます。しかし、ブライアンは思います。それが何になる?いずれまた元の生活に戻るだけだろ?そんなの嫌だ。この賞金はドリューとのデートを実現させる為の軍資金にする。これは一大冒険なんだぜ。



 ドリュー・バリモアの名言を掲げ熱く行動するブライアンは、れっきとしたアメリカ人の姿です。必殺の目指せアメリカンドリームの香り充満。この辺やっぱ世界が違うなあと思いますね。物怖じせず、気持ちをズバズバ表現できるからこそ、こういう大胆な発想や行動ができるんだな、と関心します。何気にドリューのソックリさんを募集してデートの練習をするくだりは笑えたし驚きでもありました。

 スタッフには当然、友人や親戚をかき集め、一番資金のかかるビデオカメラは30日間返品制度を利用しタダ同然で準備します。これが30日間という目標になった理由。しかし、買ってからそんな長期間も使って返品できる制度ってのも凄いな。日本でもやってるのかな。

 このブライアン、実はハリウッド業界に近いところで転々としているらしく、元から恵まれた環境にいた模様で、初盤から何だと!?という見せ場が点在しています。なんとかドリューに辿り着きたいブライアンは、ドリューと接点のある人物に謁見しまくります。それがなんと、有名な脚本家であったり、俳優のエリック・ロバーツや、コリー・フェルドマンであったりするのです。



 こんな有名人に会えて堂々とインタビュー(しかもフレンドリーに)まで出来るなんてお前、ドリュー以前にクライマックスだろ、と思えるのですが、ブライアンにとってはドリューに到達する為の単なる手段に過ぎず眼中にないご様子。せめてサインくらい貰っとけよな。結構、見栄え良く行動するブライアンですが、すんなりとゴールは見えず、様々なツテを使っては一進一退を繰り返します。

 『チャーリーズ・エンジェル2』('03)のプレミア上映にせっかく潜入できたのに、ドリューを目の前にして思いを伝えることができなかったブライアン。30日間まで残り僅かというところで達成できる気配が見えません。専用ホームページを立て、ラジオ番組での宣伝を持って、最後の賭けに出るブライアン。これで思いがドリューに伝わりますように。しかしこの後に、思わぬ事件が発生します・・・。

 オチがどうあれ、一人の青年が、誰もが思うことや希望を持つことは容易だけども、それを一歩踏み出し実践する姿と勇気が見られるだけでも、一見の価値があると思います。最後の事件の後、ある人物から電話連絡を受け暫く無言で聞き入るブライアンの表情はとても印象的でした。また更にその後、ここ最近なかったくらいに思わず声を上げてしまった自分がいました(笑;)。



 度胸と愛嬌あるブライアン・ハーズリンガーは、現在も業界人として働いているようです。ちょっといい感じに心が温かくなる作品でした。


 アメリカ人ってやっぱ凄いな。


(C) 2004 DREW CREW LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
【出典】『デート・ウィズ・ドリュー』/デスペラード

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2013年9月22日日曜日

映画『ZVC ゾンビVSチアガール』 ・・・チアガールが山のキャンプ場でゾンビになったり戦ったりします


 皆様いかがお過ごしでしょうか?
 今回は、2010/07/25付の古い記事の再アップになります。実はここのところ、何故かこの記事だけ海外からスパムコメントのターゲットにされてるようで気持ち悪いので、下書きに戻した後まんま記事を新たなURLでアップし直すことにしたのです。
 なので頭のコメントが季節外れのことを書いてますが、そういうことですんで。それと100本目記念とか(笑)。新鮮かもしれない。

<追記>
 それと、9/21(土)あたりから、ポップアップ広告が開くようになったので調べてみたら、あし@タグが何やら影響しているようなので、とりあえずタグを外しました。他のあし@ユーザさん、大丈夫でしょうか??

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●原題:Zombie Cheerleading Camp
●ジャンル:ホラー/コメディ
●上映時間:85min
●製作年:2007年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ファブリス
◆出演:ジャミー・ブラウン、クリス・ホワイト、ニコール・ルイス、ジェイソン・グリーン、ブランディ・ブラックモン、ダニエル・チェック、テリー・チャンドレン、その他大勢

 夏です。猛暑が来ました。早くも40度付近までいってます。とにかく暑いです。クリスマスの冬が来るまで、暫くこの暑さに耐えねばなりません。という訳で、夏といえばのホラー作品です。割と最近のフレッシュな作品ですが、涼しくなるどころか寒さを通り越して、思わず暖房スイッチオンな作品であります。それと、以前に記事にした『モンスター・オブ・ザ・デッド~』のJVD配給なので、吹替えがハチャメチャ大暴走。ホラーとは全然関係ないところで楽しめる作品でもあります。

【ストーリー】
 アメリカ。どっかの山。1匹のリスがある洞窟に投棄されたドラム缶に偶然飛び込んでしまう。その中はある液体で満たされていた。それはかつて米軍が極秘に研究開発していた死体を蘇らせるゾンビ薬であった。ほどなくゾンビ化するリス。一方、山のキャンプ場ではチアガール合宿が行なわれていた。鬼軍曹のような女コーチにしごかれる10数人のチアガール。そのまた一方、3人の男子グループが山を散策していると、突然ゾンビリスに襲われ1人が指をかじられてしまう。しかし軽症の為か、特に気にすることもなく3人は山を移動し、キャンプ場のチアガールらをナンパしまくる。やがてゾンビ化した男子がチアガールを襲い始め、キャンプ場は地獄と化してしまう・・・たぶん。


(グダグダ感が十分伝わってくると思います)

【感想と雑談】
 もう終わってる感バッチリの~VS~ものですが、配給会社がJVDであることを見逃してはいけません。かつての配給作『モンスター・オブ・ザ・デッド/ビキニビーチの惨劇』でもアピールしましたが、今回も最強の吹替えをもって天国まで押し上げています。一応ジャンルはホラーになりますが、製作に対する姿勢が総合的に格安すぎるので、針の先っちょほどにも恐れる要素はありません。

 また、チアガールなのでサービスタイムとして裸も登場しますが、役者陣のグレードからすると別に脱がなくてもいいんじゃないかと、そんな感じです。本格的なホラー作品を期待してはいけません。どうしようも無さ過ぎるオリジナル作品を、ハチャメチャな吹替えで面白可笑しく鑑賞する。これが基本です。

 開始早々、イラスト画によって過去の出来事が説明されます。ゾンビ薬は元々ドイツ軍によって開発され、途中それを押収したアメリカ軍が引き続き研究を続けていたというもの。なかなか壮大な設定ですが、それを映像化する予算は勿論ないのでイラスト1本でお仕舞いです。ちゃんと絵心あるイラストなので安心して見られますけどね。因みに、オリジナルでは一切ナレーションが入っていません。ご丁寧にJVDは色っぽいナレーションを挿入して判り易くしてくれています。


(右端のチアガールが本作のヒロインです・・・)

 3人のチアガールが車で移動中、パンクしてしまいます。白人さん2人と黒人さん1人。こういう作品では大抵の白人さんは残念グレードなんですが、黒人さんは何故かハイグレードでキュートです。『スピーシーズXXX』でも黒人さんらがとてもキュートでした。何かあるんでしょうか。道端で佇んでいると、3人の男子グループが車で通りかかり、助けに入ります。

 ここで、オリジナル字幕をONにしていると、吹替セリフがどれだけ凄いのかがよくわかります。男子らは車から降りると誰も口を開かず字幕らないのに「よっしゃオッパイだ!オッパイだ!」と吹替えます。また男子の1人が「パンクかい?オレはタイヤ屋の店長なんだ。」と字幕ってるのに、「オレはデリヘルの店長なんだ。働かないかい?」と吹替えます。勿論、演技はオリジナル音声を元に進みますので、チアガール達の冷静な反応からすると、もの凄く滑ったように見えてしまい、それはそれで可笑しい空気になっています。

 山のキャンプ場では、先の3人を入れて総勢12人のチアガールが登場し、華やかな特訓シーンが拝めます。と期待したかったのですが、やはり予算は大変厳しいようでした。黒人さんを除いて、どうにもこうにも・・・容姿が・・・。それと鬼軍曹の女コーチ、結構腰の入った吹替えを決めてくれます。後でゾンビの餌食になるのは間違い無しなんですが、あまり顔面のアップはいらないかなと思いました。


(バナナンボ♪バナナンボ♪左にスィング♪右にスィング♪・・・ポンポンは使わないんですか)

 特訓は女コーチの息子が担当します。元男子チアリーダーのチャンピオンでオカマです。一番華奢な体格してます。オカマらしい振付けと吹替えを炸裂し、チアガールがそれに倣います。「バナナンボ♪ バナナをむいてパクリンチョ♪ イエ~イ」。ここは一部字幕もそうなっているので、オリジナル音声もそう言ってるみたいです。こういうチアリーディングもあるのか。凄いな。どう見てもグダグダなんですが。

 カメラワークにもあまり工夫が無く、ちょくちょく固定したカメラ視点が入ります。画面の左から右に車がブイーンと横切るだけとか。ゾンビリスに噛まれた男子が何やら叫びながらカメラの前で右往左往すると、ゾンビリスが「上手から下手へ・・・下手から上手へ」と吹替えたりします。ゾンビリスがです。オリジナルの欠点、というか全てを吹替えで補ってる感じです。やはり吹替えしかないでしょう。素晴らしいです。

 肝心のゾンビは、オーソドックスで顔色の悪い程度のゆっくりした動作で登場します。特殊メイクも所々で血飛沫が派手に上がったりしますが、全体的にはチープです。1人のチアガールゾンビがオッパイを出したまんまのサービス状態で首を撥ねられるのですが、この時横たわった首なしボデーの様子はデジタル処理を施しているのか見事なカットだったと思います。

 が、その後に登場する撥ねられたダミーヘッドが思い切り紙粘土で適当に固めたようなヤツで、それまでの見事なボデー映像を台無しにしてました。これならボデーも紙粘土で統一して欲しかったな。でも、フォローのごとく吹替えが付いてくるので、そんなに嘆く必要もありません。

 伏線を配置してあって(いっちょ前に)クライマックスでは「あ、そうか」とちょびっとだけ感心したりもするのですが、まあオリジナルの作品自体としてはゴミ映画行きは間違いないでしょう。ゾンビと生存者との攻防戦!みたいな展開は殆どないし。実際に作り手はどういう感覚で製作したのか聞いてみたいところです。まさかJVD向けに製作してたりとか。それはないか(笑)。


(右端のゾンビチアガール。ポッチャリですがちょっと可愛いかも)

当ブログの映画記事100本目記念がこれかよ。

(C)2008 JAF Productions
【出典】『ゾンビ VS チアガール』/ジェイ・ブイ・ディー

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2013年9月14日土曜日

映画『シリアル・ママ』 ・・・善良な主婦が町のゴミを処分します

●原題:Serial Mom
●ジャンル:コメディ/犯罪/スリラー
●上映時間:93min
●製作年:1994年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・ウォーターズ
◆出演:キャスリン・ターナー、サム・ウォーターストン、リッキー・レイク、マシュー・リラード、ジャスティン・ワーリン、ミンク・ストール、トレイシー・ローズ、その他大勢

 9月に入ってました。皆様いかがお過ごしでしょうか?前回更新までの暑さはやっとこさ山場を越えて、涼しさを感じるようになりました。秋ですね。いいですね秋。すぐ冬に突入するんだろうけど。でも寒い方が好きなので問題無。

【ストーリー】
 アメリカ。ボルチモアで平和に暮らす主婦ビバリー。よき妻よき母としてすこぶる評判であったが、実は彼女には裏の顔があった。モラル、マナー、秩序を重んじる一方で、殺人犯を崇拝するビバリーは、気に食わない者がいれば制裁を加える毎日を送っていたのである。そんなある日、近隣住民からイタズラ電話のことで通報を受けた警察がやってくる・・・。



【感想と雑談】
 これ最近になってDVD&Blu-ray化されたのですね。ビデオ時代から結構長いこと再見ができなかった訳です。悪趣味の帝王(笑)ジョン・ウォーターズ監督による、毎度地元のボルチモアを舞台にした、土着感溢れる楽しい作品です。

 駐車場待ちで割り込みされる、ゴミの分別をしない住民がいる、愛する子供を学校に否定される・・・そんな日常で誰もが遭遇しがちな不満事に、キャスリン・ターナー演じる主婦ビバリーが立ち上がります。街宣やビラ配りなんて面倒くさいことはしません。

 ここで、非常に迫力あるキャスリン・ターナーが堪能できます。

 今朝もいつものように笑顔で家族を送り出したビバリーは、自室に戻るとご近所の友人に電話をかけます。相手が出るやいなや、いきなり卑猥な言葉を大連発。下品な笑いも添えて。この豪快なイタズラ電話の様子をスプリットスクリーンで映しだします。



 このイタズラ電話の発端となった駐車場で友人に割り込みされる回想シーンは、まるで観ている自分もそれを食らったかのように怒りとカタルシスを共有できる瞬間です。わかる。わかるぞ。始まって早々にビバリーが大豹変するのでビックリしますが、この急激な転換が後の展開を一気に盛り上げてくれます。

 制作に当たっては、ビバリー役をキャスリン・ターナーにオファーできたことで、かなりの資金を集めることができたそうで、なるほど一見ハリウッド作品のような落着きと華やかさを感じます。が、先のビバリー大豹変から始まる、下品でボンクラで変態で、そして痛快な味付けで爆進する様は、さすがジョン・ウォーターズ監督だと感心するばかり。

 監督は、頑なに出身地のボルチモアを舞台にした作品を撮られているそうで、確かに観た作品はどれも似たような町並みでちょっと垢抜けてない印象を感じますが、一方で地元愛というかどこか温かい眼差しも感じます。コメンタリーで監督が「制作側がハリウッドから干すぞと脅してきたけど、元々ハリウッドなんか相手にしてねーよ」と切り返したところは痛快で笑えました。



 中盤、ノミの市に出店したビバリーは、娘の彼氏が浮気しているところを目撃。制裁モードに突入し、彼氏をトイレで殺害します。この時の彼氏の浮気相手に大注目。演じるのが、出ましたあのトレイシー・ローズなのです。彼氏が殺されたというのに、駆け付けたイケメン刑事に色目を使うトレイシー。この演出からして監督の愛を感じます。実際コメンタリーでも監督はトレイシーは友人だと豪語していました(笑)。しかし、この頃のトレイシーは可愛いかったんだなあ。

 遂に逮捕されたビバリーは、裁判を自分で弁護することを宣言します。世間が注目する中、陪審員と次々現れる証人にビバリーはいったいどう対処していくのか・・・。

 劇中で『血の祝祭日』('63)が度々流れるのですが、監督によるとリアルタイムで観た世界初のスプラッタ作品として特別な存在なんだそうです。メイキングでは『血の祝祭日』の監督ハーシェル・ゴードン・ルイス御大も登場され、映画製作への熱い思いを聴くことができました。大変興味深かったです。因みに、御大監督の『血の祝祭日2』('02)では、ウォーターズ監督が特別出演されていました。



 悪趣味で地場産業な経歴からしてクセはありますが、そんなジョン・ウォーターズ監督だからこそ地元を生かし、本来映画に求められる答えを明快に出せているんじゃないかと思います。ビバリーの言動にハマることができれば、あとは笑いとカタルシスが待ってるだけです。

 キャスリン・ターナーの肝っ玉さに大感服。


(C)1993 SAVOY PICTURES All Rights Reserved
【出典】『シリアル・ママ』/キングレコード

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