2012年5月20日日曜日

映画『モンスター上司』 ・・・パワハラ、セクハラ、バカハラ、最低上司の見本市です

●原題:Horrible Bosses
●ジャンル:コメディ/犯罪
●上映時間:98min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:セス・ゴードン
◆出演:ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ドナルド・サザーランド、ジェイミー・フォックス、ヨアン・グリフィズ、その他大勢

 割と最近の作品です。まだ新作扱いなのに調子こいて1週間レンタルにしたら、ここ最近払ったことのない料金となってしまいました。でも昔のレンタル出だしの頃はもっと高くて、1本が劇場鑑賞とほぼ同じ料金してましたよね。映画を観るのに気合のいる時代でした(笑)。
 
【ストーリー】
 アメリカ。親友同士のニック、デイル、カートの3人は、ある共通の深刻な悩みを抱えていた。それは職場の上司から最悪のハラスメントを食らっていること。どうにも我慢ならなくなった3人は意気投合し、それぞれ上司の殺害を計画する。スラム街の黒人ギャングのアドアイスを受け、実行に移る3人であったが、事態は思いもよらない方向へと向かってしまう・・・。



【感想と雑談】
 こういう作品は、モンスター上司役に誰を持ってくるかがポイントになりますね。このなかなかの布陣とくれば、期待も高まるというものです。
 
 商社のパワハラ(職場の権力を利用した嫌がらせ)上司をケビン・スペイシー、歯科医のセクハラ(性的嫌がらせ)女上司をジェニファー・アニストン、町工場のバカハラ(バカの発想で嫌がらせ)上司をコリン・ファレル、それぞれが嬉々として嫌な上司を演じていて、やりすぎ具合がほぼファンタジーです。
 
 ケビン・スペイシーは安心と信頼の極悪演技。ジェニファー・アニストンは初見の女優さんですが、卑猥な言動を繰り返す女上司はどちらかというと男の夢に通じる完成度。そして、コリン・ファレルの、なんだバカハラって(笑)。そんなハラスメントあったのかよ、と思ってしまいますが、ドラッグで頭パーになった演技&容姿を見れば納得です。彼は今までイケメン役者のイメージでしたが、本作ではそれが見事、木っ端微塵になってます。このイメチェンは最強。イカすぜファレル。
 

 
 そんなハラスメント上司にやられまくり主人公の男3人を、ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキスが演じていますが、みな実に味わい深く心情を表現していて申し分ないです。中でも歯科助手役のチャーリー・デイが女上司から嫌がらせを受けるシーンが可哀想で羨ましいこと。
 
 この3人の男が、こうもムカつきムラムラさせられる上司、いわば悪をいかにして懲らしめるのか、カタルシスへの期待が膨張しまくります。実際、職場に一人や二人、必ずいるんですよね、嫌なヤツってのが。重ね合わせること必至です。
 
 頂点に達した3人は、このままでは未来はないと結論付け、上司を殺ることにします。しかし、チキンな3人なので、殺し屋のつもりが変態男を雇ったり、スラム街の黒人から殺人レクチャーを受けたらインチキだったりと、なかなか事が進まずコメディらしい笑いが続きます。この辺りで絡んでくる役者もなかなかのところで、ドタバタ具合に拍車がかかります。



 また、自分の上司を殺ってしまうと従属関係から容疑をかけられるのは明白ということで、3人は互いの上司を殺ることでアリバイの確立も企てます。なるほどグッドアイデア。この後、その計画も脱線しまくって、とんでもない事態に発展するも、最終的には男3人が満足のいくクライマックを迎える・・・
 
 という期待は空しく外れてしまうのでした。
 
 たしかに男3人はあれで満足したかもしれませんが、上司3人の顛末はもうちょっと考えた方が良かったのでは。一部、伏線の回収を持って懲らしめるというオチはあるものの、上司全員に対するカタルシスは、あまり感じることはありませんでした。突然の「え?そうくるの?!」という展開にビックリして、その後は冷め気味になってしまった感じ。
 
 総合的に、憎ったらしい上司を笑いと共に退治するというのが、コメディとしては重要だと思うのですが、残念ながら本作ではそれがちょっとズレてるというか、一線を越えてしまっている気がします。とことんファンタジーに近い上司のままでいいものを、途中から妙に現実的(リアル犯罪)にしちゃってる。ファンタジーのまま捻りの効いた展開がいいのですよ、こういう類は。
 

 
 それぞれ上司の際立ちぶりが見事だっただけに、残念です。
 
 imdbの評価を見ると意外に高得点。(2012/5/20時点:7.0/10)
 欧米人ってこういう展開でも喜んじゃうのか。よっぽどハラスメント上司が憎いんだな(笑)。
 
 余談ですが、ジェニファー・アニストンの髪の毛、本作ではブラウンですが、実際はブロンドなんですね。他の作品で見かけるブロンド姿(パケ写ですが)とは随分イメージが違って見えます。髪の毛だけでこんなに変わっちゃうんだ。それと、今年43歳なんだって。若いな。これはアリかもしれない(何が。
 

(こういう上司だったら正直ウェルカムです。)

(C) 2011 New Line Productions, Inc.
【出典】『モンスター上司』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2012年5月4日金曜日

映画『ファイナル・デッドブリッジ』 ・・・相変わらず凶悪なピタゴラスイッチが襲ってきます

●原題:Final Destination 5
●ジャンル:ホラー/スリラー
●上映時間:92min
●製作年:2011年
●製作国:アメリカ、カナダ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:スティーブン・クォーレ
◆出演:ニコラス・ダゴスト、エマ・ベル、マイルズ・フィッシャー、エレン・ロー、ジャクリン・マキンズ・ウッド、アーレン・エスカペタ、トニー・トッド、その他大勢

 そろそろお終わりのGW。いつも通りにレンタル屋に行っては何本かの鑑賞をしています。今回は3本ほど借りたのですが、どれもこれも準新作レベル。意外だったのが、一番期待していなかった作品が実は一番面白かったということ。衝撃が走ってしまいました(笑)。

【ストーリー】
 現代のアメリカ。企業研修に向け従業員らを載せたバスが高速道路を移動している最中、渡りかけた工事中の吊り橋が突然に崩落事故を起こす。という予知夢を見た従業員のサムは、現場に差しかかった途端、数人の仲間と共にバスから避難する。半信半疑になっている仲間らの背後で、予知夢の通り轟音を立ててバスごと崩落する吊り橋。サムの行動に戸惑いながらも命拾い出来たことに胸をなで下ろす仲間らだったが、死の運命はそう簡単に彼らを許すはずがなかった・・・。



【感想と雑談】
 前作(4作目)の『ファイナル・デッドサーキット』('09)は、お気に入り2作目『デッドコースター』('03)のデビッド・エリス監督が再び担当したので凄く楽しみにしていたのです。そしたらパンチの無い、実に残念な出来となっていました。2作目でやりたかった3D化がやっと出来たと喜んでいたのに、それで頭スパークしちゃったのかな監督。3作目『ファイナル・デッドコースター』('06)失速の挽回を期待していたのに。

 そんな訳で、シリーズの終焉は感じてはいたのですが、ひょっとすると・・・という思いもあり、今回の最新作(5作目)も観ることにしました。その結果、

 なんだこれ、凄く面白いじゃないか。

 オープニングタイトルが、これでもかと言わんばかりの3D表現で辟易しそうになったのですが、よく見れば手前に飛んでくるのは過去の作品で凶器になったヤツばかり。ちょっと感慨深くなって本編に突入。そして、気が付いたら感動のオチを迎えていました。

 冒頭でちょっとしたキャラの紹介が終わると、さっそく企業研修に向かうバスが問題の吊り橋に差し掛かりますが、恒例の予知夢の演出や表現がズバ抜けていました。突風をきっかけに崩落する橋が、どのように一人一人を仕留める凶器と化すのか。よくぞまあ、あそこまで描いたものです。



 吊り橋の一部や工事用の設備が、崩落途中の様々な物理的な作用から、自然に人々を襲っていく様は実に圧巻で、橋が真っ二つに割れ車両や人がボトボト落ちて行くところは、本物の橋を壊したんじゃないかと思えるくらいの臨場感。すんなり落ちた女が水面から顔を出すと、時間差で落ちてきた車の直撃を受けるという、テンポずらしの凶悪な一面も備えていて、緩急付けとしても見事なものだと思います。

 ところどころ3D演出が鼻を突きますが、このVFX総動員の冒頭シーンは、自分にとってはここ最近なかった映像マジックでありました。高所嫌いのくせに高所の映像は大好きという謎の好みも手伝っていそうです。『HALF-LIFE2』という海外ゲームでも、巨大な橋の鉄骨で下の水面を見ながら、そろそろと移動する下半身ムズりまくりのステージがあって、本作と同じ興奮が味わえました。どんな好みだよ。

 まさに掴みはOKな冒頭から、生き延びた主人公とその仲間達が死の運命にどう立ち向かっていくのかが、本筋となっていきます。吊り橋の崩落から一転して、一人一人にしのび寄り、随分とじらしまくる死神。たくさん配置される仕掛けに気付かない仲間達が、いつどんなトドメを刺されるのか。それを見守るだけという緊張感はハンパないです。特に体操のシーンは凄まじいです。



 ある女が眼科で目の手術(レーシックかな)を受けるのですが、絶対に傷付けたくない神経の集中している目に何かが起きるのは必至なので、えらく恐ろしいシーンであります。またゲーム話になるのですが、『DEAD SPACE2』という海外ゲームでも主人公の目玉にあることをするステージがあって、失敗すると速攻ゲームオーバーになるのですが、この失敗のエグさがどうしても重なってしまいました。

 クライマックスでは最後まで生き残った主人公にも期待通りのことが起きます。が、その顛末よりも、主人公が置かれた環境がいったい何であるかがわかった瞬間。鳥肌が立ちました。そうか、そう持ってきたのか。このオチの素晴らしさには感動しました。

 そして、ラストのラスト、画面が暗転する直前のエピソードで大爆笑。別にギャグとかではないのですが、あまりの唐突さと、最後の仕上げ感もあって、つい笑ってしまいました。因みにエンドロールにもちょっとした楽しみが待ってたりします。

 前作までのシリーズ失速をなんとか回復させようと、脚本と監督を一新して挑んだ本作は、思惑通りに成功し見事息を吹き返したものと思います。前作のオチャラケ部分を廃して、シリアス路線にも徹したそうですが、大正解でしたね。この勢いだと間違いなく6作目も作られるでしょう。ハードルは高くなるでしょうが、マンネリ化には気を付けて、常に新しい興奮を味わえるようなアイデアを出し続けて欲しいと思います。絶対に止めて欲しいのは3D化ですが、これは無理なんだろうな。



 とにかく、5作目でここまで楽しめるとは思ってもいなかったです。なんでも過去作品に繋がる隠し要素やオマージュ的な面白さもあるとのことなので、いずれシリーズ全作を見直してみようかな、なんて思っています。

<ご参考>
imdbによるシリーズ作品の10点満点評価(2012/5/4時点)




(C) 2011 New Line Productions, Inc.
【出典】『ファイナル・デッドブリッジ』/ワーナー・ホーム・ビデオ

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2012年5月2日水曜日

今年のGWは、Yahooの新機能(たぶん)が活躍します・・・


 GW真っ最中ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?

 私も一応GWということで、映画三昧だけでなく、日ごろの運動不足のちょっとだけ解消なんてのもやっています。

 運動といってもスポーツとかではなく、単に歩くだけ。散歩ですな(笑)。でも、意外や馬鹿にならんですよ。歩くペースとか距離によってはね。見知らぬ土地を歩くのも、色々な発見があって楽しいものです。

 散歩の計画に欠かせないのが、地図によるコースの吟味ですが、ここで今回ちょっと新たな発見があったので、以下に紹介してみます。そんな大袈裟なものでもないけど。

 地図といえばGoogeのサービスをよく使っていたのですが、いちいち重たいので(スペックの問題か)、今回Yahooのサービスを使ってみたのです。そしたら機能更新が入ったみたいで、Yahooトップから地図リンクを選択すると、速攻で地図画面が表示されるようになりました(機能更新の際に初期表示をどうするかの選択が発生)。従来は、すぐには表示せず住所一覧から追っていくような構成じゃなかったかな。

 また、「ルート検索」というメニューもあって(これ前からあったっけ)、これがなかなかよろしい。地図上の自宅に「出発地」を設置して、とりあえず行けそうな場所に「目的値」を設置。すると、電車・バス、自動車、徒歩に応じて最適なコースを計算して、距離と移動時間まで計ってくれるのです。最適コースを崩して別のルートを行きたい場合は、要所要所に「経由地」を設置すればいいだけ。おおお、いい感じ、いい感じ。

 で、この機能を使って、GWの頭に遠出をしてみました。天気もよくて気持ちよかったです。帰りはバテてしまいましたが(笑)。大した距離じゃないのに、これぞ運動不足。

 ご参考に、Yahoo地図サービスのリンクを貼っておきますね。
 http://maps.loco.yahoo.co.jp/maps


 ここであることが閃きました。・・・・・・そうだ、スロベニアへ行ってみよう。

 ハイパー・スロベニアタイムの始まり。最近集中してる気がする。果たして、スロベニアまで徒歩でどれくらいかかるのか?

 Yahoo地図にやってもらいました。出発地を某近畿地方の自宅に、目的値をスロベニアの首都リュブリャナ(舌噛むぞ)に設置。出ました、その結果・・・


 距離:27900km 時間:5593時間(約233日)

 なんだ、1年もかからないのか、大した距離じゃないんだな・・・って一切休憩なしの直線距離だろこれ。無理。というかネタです。

 皆さんも残りのGW、特に予定がなければ、この方法で散歩や散策を計画されてはどうですか?

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