2011年12月30日金曜日

映画『刑事マルティン・ベック』 ・・・スウェーデン産の激渋な刑事ドラマです

●原題:Mannen på taket
●ジャンル:アクション/犯罪/ドラマ/スリラー
●上映時間:110min
●製作年:1976年
●製作国:スウェーデン
●言語:スウェーデン語
●カラー:カラー
◆監督:ボー・ヴィデルベルイ
◆出演:カール・グスタフ・リンドステット、スヴェン・ヴォルテル、トーマス・ヘルベルク、ホーカン・セルネル、ビルギッタ・ヴァルベルイ、その他大勢

 今年も終わりですね。色々と大変な年でありましたが、そんな年の最後を飾るのに選んだ作品がコレです。前回の記事は『刑事ジョン・ブック』でした。で、今回は『刑事マルティン・ベック』。おお、”刑事”と”ック”繋がりじゃないか、とプチ感動してますが、別に狙った訳ではないです。偶然です、偶然。

【ストーリー】
 スウェーデンはストックホルム。ある病院で患者が惨殺される事件が発生。殺人課のベテラン刑事マルティン・ベックは、被害者が同業のニーマン警部であることに動揺しつつも、彼が大勢から恨みを買うような人物だったことから、犯人の動機が復讐心にあることを確信する。やがて、地道な捜査から犯人を絞り込み、事件も解決かと思われた矢先、ストックホルム市内で大乱射事件が発生したとの連絡がベック刑事に入る・・・。
 


【感想と雑談】

 レンタル屋でふと目に入った作品。パッケージのデザインが、いい感じのレトロ具合。スウェーデン産の刑事ドラマです。ハリウッド産の同様のジャンルは腐るほど観てきましたが、ヨーロッパ産といえば『ダーティ・デカ まかりとおる』('77)というイタリア作品くらいしか観たことがありません。因みにこの『ダーティ・デカ~』は半端なくヘボかった記憶しかないです。
 
 さて、今回の刑事ドラマ。開始早々、夜の病院です。入院中のオッサンがふと横に目をやると、窓越しの暗闇に人間の目が浮かびます。オッサンをじーっと見てるの。くっきりと目だけが。おいぃぃ。このカットやたらと怖い。ここでオッサンよせばいいのに窓に近寄ると、飛び込んできた犯人に銃剣でメッタ刺しにされます。血の量も多くて生々しい描写。ヘタなホラーよりも恐ろしい展開です。因みにこの時の撮影、豚の血液を使ったのだとか。やたら色合いや固まり具合がリアルだったのも納得です。
 
 事件発生ということで主人公の刑事マルティン・ベックの登場です。若くてイケメンな刑事を想像していたのですが、これが見事にベテランのオッサン刑事。殺人課の他の刑事らも皆オッサン領域だったりします。そんな刑事らが腰を据え聞き込み調査を行なう様を、さり気ない動作を交えながら、警察内の人間関係を含めじっくり淡々と描いていきます。
 
 どちらかというと日本のサスペンスドラマに近いノリかな。まあそれよりも上をいく感じで、冒頭の刑事らの日常勤務にホンモノの麻薬常習犯を登場させたり(ちゃんと台詞あり)、警察署含め殆どをロケで撮影してたりと、現実性を追求した空気で充満しきっています。華も殆どないし。ヨーロッパ産特有の空気もあるのでしょうが、実際どこの国でも捜査状況ってこんな感じなんだろうなと思いますね。ところで、刑事の一人が下半身丸出しで登場し妻と合体するシーンがあったのですが、これぞスウェーデンってやつなんでしょうね。ボカシもバッチリだし。



 終始こんなペースかと思っていると突然、一発の銃声が鳴り響いて急展開に。犯人がストックホルム市内のビルの屋上から大乱射をおっ始めます。凄い緩急の付け方ですね。二部構成かよと思えるくらい。まさに静と動。静かだったカメラワークも刑事らの動向に合せて慌しくなります。この時の俯瞰で捕らえたストックホルムの町並みがカラフルで美しいこと。誰が見てもヨーロッパ作品であることがわかります。
 
 大勢の警官らが射殺され、ヘリコプターまで撃ち落されたりと、結構手に汗握る展開になりますが、ラストは意外にあっけない締めくくりに感じました。え、事件はそれで終わり?そしてベック刑事のその後は?詳しくは書きませんが、ヘタに盛り上げるよりも、こいうバッサリ感なラストを持ってくるのも、本作の魅力の一つなのかもしれません。
 
 これ原作は有名なシリーズ小説なんですね。作者はスウェーデンのマイ・シューヴァルとペール・ヴァールーの夫妻。他の映画化作品では『マシンガン・パニック』('73)もそうなんですね。これも面白かったな。昔から自分との接点があったんだと感慨深くなりました。って単なる勉強不足なだけか。
 
 70年代のスウェーデン作品は初体験でしたが、丁寧な刑事ドラマが味わい深くて、また大群衆パニックに実物のヘリコプターを落としたりするスペクタクルな見せ場まで押さえていて、意外な拾い物でありました。DVDには特典が付いていて、まだチラ見しかしていないので、今度じっくり観てみようと思います。


 
 さて、本記事で今年は最後となります。更新をもっと伸ばしたかったのですが、これはまた来年の目標にしようかと思います。
 今年も訪問頂いた皆様どうもありがとうございました。来年は皆様にとって良い年となりますように。


(C)1976 AB Svensk Filmindustri
【出典】『刑事マルティン・ベック』/紀伊國屋書店

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2011年12月17日土曜日

イタズラ vs イタズラ動画が笑えます


 たまたま見つけた動画なんですが、久々に笑えたのでちょっと紹介したいと思います。
 
 アメリカのカップルがお互いイタズラし合うだけのプライベート動画なんですが、シリーズ化とか結構凝った作りになっています。スポンサーでも付いているのかな。
 
 しかしまあ、そのイタズラの内容(笑)。豪勢な一戸建の中で同居してるっぽいカップルが、ハンディカムで隠し撮り、もしくは目の前でダイレクトに撮りながら、割と過激なイタズラ合戦やってるの。
 
 タイトルは『PRANK VS PRANK』。略してPVP(笑)。この二人、あんなにやり合って疑心暗鬼に陥らないのかな、とちょっと心配にもなりますが、まあ笑えるし楽しいのでどうでもいいです。

 (以下の動画は人によっては不快な気持ちになるかもです。一応ご注意下さい。)

『Chick Eats Wasabi Sandwich- Prank』
 彼女へのワサビと酢を使ったイタズラ。酢のところで盛大に笑ってしまいました。


『Surprise Haircut on Girlfriend』
 彼女への髪の毛を使ったイタズラ。ぶちキレるもイタズラと判明した時の反応がとても愛らしいです。


 その他、彼女による彼氏へのイタズラも半端でなかったりします。イタズラの域を超えてる気もしますが、エンターテイメントと割りきって笑ってあげましょう。

 幽霊の出ない『パラノーマル・アクティビティ』ですね(違。
 

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2011年12月11日日曜日

映画『刑事ジョン・ブック 目撃者』 ・・・ハリソン・フォードがアーミッシュと触れ合い、恋に堕ちます

●原題:Witness
●ジャンル:ドラマ/ロマンス/スリラー
●上映時間:112min
●製作年:1985年
●製作国:アメリカ
●言語:英語/ドイツ語
●カラー:カラー
◆監督:ピーター・ウィアー
◆出演:ハリソン・フォード、ケリー・マクギリス、アレキサンダー・ゴドノフ、ダニー・グローバー、ジョセフ・ソマー、ルーカス・ハース、ヴィゴ・モーテンセン、その他大勢

 なんと2ヶ月間も空けてしまいました。11月は完全スルーしちゃったな(汗)。せっかくの年末だしね、アホ画像で終わらせるのもあれなんで、久々に映画ネタで更新したいと思います。しかし、今年ももうクリスマスなんだ。早いよ時間経つの。

【ストーリー】
 アメリカはペンシルベニア州のアーミッシュ。夫を亡くしたレイチェルは息子のサミュエルと共にボルチモアの姉のもとへ出かける。途中とある駅のトイレで殺人事件を目撃してしまうサミュエル。担当することになった刑事ジョンは、レイチェルとサミュエル親子を証人として強引に連れまわし、事件の核心に迫る。それは警察内の麻薬汚職に絡む犯行であった。やがて犯人に襲われ大怪我を負ってしまったジョンは、親子をアーミッシュへ送り返したところで力尽きてしまう。レイチェルの必死の看病によって助けられたジョンは、暫くアーミッシュに身を隠すことにするが・・・。



【感想と雑談】

 初めてテレビ放映で観た時、もの静かな展開にただ見入ってしまったのを覚えています。一人の刑事とアーミッシュの女性が恋に堕ちて行くだけなんですが、このアーミッシュというのがミソだったようです。今回、DVDで見直すことにしました。初の完全版の鑑賞。
 
 改めて実感。地味ですが、とにかく素晴らしい作品。

 冒頭からの自然溢れる大地に黒尽くめの男女が現れる静かなシーンはアーミッシュの質素な生活様式を表したもので、やがて旅立つ親子の乗る馬車がトロいため途中からトラックや乗用車らが後ろに登場するところで、未だ現代文明からかけ離れたコミュニティーであることがわかります。
 
 暫くして刑事ジョン役ハリソン・フォードの登場。ここ最近、爺な姿しか見ていなかったので(笑)、その若々しさにちょっと感動。この頃だと『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』('84年)あたりがカッチョよかったよなあ。そんなイメージがあるから凄く頼もしく見えるのですが、残念なことにすぐ撃たれて死にそうになる刑事だったりします。まあ、そんなハリソン・フォードも悪くないし、倒れることで後の素晴らしい展開に繋がっていく訳です。


(まだ居心地悪そうな刑事ジョンとアーミッシュ女性レイチェル)
 
 押収した麻薬を着服する汚職刑事の一人をダニー・グローバーが演じているのですが、彼はなんと言っても『リーサル・ウェポン』シリーズのマータフ警部じゃないですか。それが目ひん剥いてナイフ振り回したりするから衝撃。どう見ても悪人に見えない。でもこういう意外性もウリの一つとして挙げられるのかも。この汚職刑事の銃弾にジョンは倒れてしまいます。

 怪我を負ったジョンは、レイチェル一家の世話を受けることになります。アーミッシュでの生活の始まり。アーミッシュとは、元々ドイツで迫害されアメリカに渡ってきたキリスト教一派の民族で、聖書の教えを純粋に守ることから必要最低限の文明のみ受け入れ質素な生活を営むコミュニティーのことであり、いたる州に存在しているそうです。本作を観て始めてアーミッシュを知ったのですが、その特異な存在が本作を最も印象付ける要素となっています。

 アーミッシュの未亡人でもあり母親レイチェル役を演じるのはケリー・マクギリス。特別美人でもないんだけど、そのリアルさや落ち着き具合。表情から伝わる心の微妙な変化。この女優さん、最高です。これ以外の出演作(『トップガン』('86年)とか)は未見なのですが、本作の彼女だけで十分な気がします。


(狙ったのか偶然かは不明ですが、アーミッシュとジェット雲の対比が印象深いカット)
 
 アーミッシュでは元々、そんなレイチェルに思いを寄せる一人の男がいるのですが、それを演じるのがアレキサンダー・ゴドノフ。大好きな『ダイハード』('88年)でテロリストのNo2役を演じていたので、またもやここでイメージ違いの配役が(笑)。本作では陰からレイチェルとサミュエルを見守る心優しい男で、ジョンがやってきてからの複雑な心境がジワジワと伝わってきます。
 
 アーミッシュでの一大イベントとして、大勢の男らによってある納屋作りが行なわれますが、ジョンもそれに借り出されてしまいます。大工が得意という設定で要領よく作業をする姿は、実際ハリソン・フォードが元々大工だったことが脚本に生かされてるようです。で、この納屋というのが共同利用の為とかでなく、ある新婚夫婦の為に作られたということで、ここでもアーミッシュの隣人を愛するという生活様式の一部が描かれてる訳ですね。そうそう、この納屋作りのシーンにヴィゴ・モーテンセンを発見。出てたのかよアラゴルン。また若いんだなこれが。


(インディ、アラゴルン、テロリスト、夢の三大共演)
 
 自分と息子を命をかけて守ってくれただけでなく、自由からくる楽しさまで伝えてくるジョンに、レイチェルは惹かれていきます。自動車のラジオから流れる音楽に合わせ、二人が手を取り歌い踊るシーンは印象的で、その後にジョンもレイチェルを完全に意識してしまうのですが、安易な流れにならないところが実にニクイです。二人が無言で見つめ合うところは圧巻といえましょう。
 
 どうすんだこの二人と思っていると、先の汚職刑事ら3人がジョンの居所を突き止め、口封じにやってきます。ダニー・グローバーはやっぱり悪人に見えませんが(笑)。ジョンは機転を利かせながら3人を逆に追い詰めていきます。

 事件も解決し、アーミッシュに留まる理由もなくなったジョンは、最後の決断を迫られます。ラストにレイチェルのことをどう思いどう行動するのかは、観てのお楽しみとしておきましょう。だいたい想像つくかと思いますけどね。とにかくラストのラストまで、いいシーンの連続だったなと思います。

 調べてみれば高評価で、ずいぶん愛されてる作品というのがわかりました。ただ肝心のアーミッシュには必ずしも好意的には取られていないそうです。仕方ないかもですね。しかし、このご時世、アーミッシュのような生活様式をちょっとは見習うべき時期がきているのかもしれません。
 

(C)1985
【出典】『刑事ジョン・ブック 目撃者』/パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

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2011年10月10日月曜日

懲りずにアホ画像作成 その4

 
 なかなか記事が捗らないので、今回も毎度の弄くり画像で更新しておくことにしました。
 ボケた頭でも何枚かの写真とGIMPがあればこっちのもの。んで、ユルいコラージュ画像が完成。ああ、楽チン・・・でもないか。結構、細かいとこは神経使いますが、まあ楽しい楽しい。もう記事書けなくなるかも(笑;)。

 それから、これまでGIMPのみで作成していたヘッダ画像ですが、今回、Inkscapeというフリーのベクタ形式描画ソフトも加えて更新してみました。ほんの一部ですがキレイに表現できていい感じ。



 ゲームの『大美人』を実写化すると、こんな感じになるのでしょうね。たぶん(笑)。

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2011年9月4日日曜日

懲りずにアホ画像作成 その3

 
 台風を吹き飛ばしたいのと(去ったと思ったらまた発生してるし)、早いとこ天気が安定することを願って、恒例の弄りアホ画像を作成してみました。 周期が短くなってるようですが、気にしないように。
 映画はどうした、映画は。



 ピンチなバチカン。バチカン危機一髪。

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2011年8月27日土曜日

スピーシーズXシリーズが全作ランク入り・・・

 
 ゲリラ豪雨がなかなか止まない昨今ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?秋に近づいてはいますが、天気も早く安定して欲しいですよね。
 
 さて、右横に貼っ付けてる「記事アクセスランキング」。スピーシーズXシリーズの全5作品がランク入りしているじゃないですか。まあ、ブログ内の相対的ランキングなだけで、凄くもなんともないのですが、妙な達成感はあったりします(笑)。訪問頂いている皆様には感謝であります♪
 
 そんな訳で、シリーズ一番人気『スピーシーズXXX/寄生獣の甘い誘惑』('06)のモチーフにもなっているキャンディストライパーの映像です。前にも記事を挙げておりますが、今回は証拠映像として、そしてささやかな祝砲として(どこが)、紹介しておきたいと思います。

『My Halloween Costume: Candy Striper』
 一般の女の子がハロウィン仮装に向けキャンディストライパーに扮します。
 "candy striper"の正しい発音も聞けて勉強になりますね。


『Candy stripers make a comeback』
 キャンディストライパーとは、実はエロでもなんでもない、正真正銘の病院ボランティア活動のことなのです。1944年に米ニュージャージー州の病院から誕生し、10代の女の子らが赤と白のストライプ柄(これが語源)の制服(エプロン?)を着て、様々なお手伝いをされているとのこと。年々、その内容や位置づけは変化しているそうです。タイトルからすると最近廃れているのかな・・・。とにかく、こういう病院だと通うのが楽しくなりそうですね(笑)。



日本でもやってほしい。


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2011年8月12日金曜日

懲りずにアホ画像作成 その2

  
 暦の上では秋突入なんですが、まだまだ暑いですね。暑すぎますね。
 という訳で、暑気払い(?)にいつものアホな弄くり画像です。なるべく視覚に訴えるブログにして、頭の悪さをカバーしていきたいと思います。・・・って、そもそもアホ画像なのでカバーもあったもんじゃないです(笑;)。
 それにしても、フォトレタッチソフトのGIMP、面白いなあ。



この画像・・・『スカイライン』の続編はきっとこんな感じになるんじゃないでしょうか。凄く楽しみですね♪(違

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2011年7月31日日曜日

映画『スピーシーズXXXXX 美しき寄生獣軍団』 ・・・アル中男が謎のアタッシュケースと格闘します

●原題:Contagion
●ジャンル:SF/ホラー
●上映時間:90min
●製作年:2010年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:ジョン・リチャゴ
◆出演:ヴィニー・ビランシオ、ヴィクトリア・デ・マレ、ロニー・ルイス、ケリー・ケイ、ジア・パロマ、その他小勢

 7月ももう終わりですね。まだまだ暑い日は続くのでしょうが、皆さん体調には十分お気をつけ下さいね。
 今回は懲りずにいつものシリーズ作品です。割とこのシリーズは当ブログの中では人気がありますので、ぜひ全作品のコンプリートを目指したいと思っておりました。実際ここまでくると、需要も皆無な気がしますがね(笑)。

【ストーリー】
 アメリカ。どっかの町のアパート。そこでは様々な人間模様が渦巻いていた。住人のアル中芸術家トロイは、友人の女が持ち帰ったアタッシュケースを思わず開けてしまう。中にはモニタ画面やボンベ、そしてボタンが並ぶ装置が収まっていた。試しにボタンを押すと、突然アタッシュケースが作動し始め、飛び出した何かにサムは手を噛まれてしまう。サムは慌ててアタッシュケースを閉じるが時すでに遅し。やがて出現する怪物によって住人らは一気にパニック状態。アパートという閉鎖空間の中で怪物との死闘が始まる・・・。たぶん。


(7人います。6人しかいないようですが、下の方にも誰かいるので間違いないです)

【感想と雑談】
 もうホントにいいんじゃないか。そんなことしか浮かばないシリーズ第5弾XXXXXです。フィフスだって。Xの多さに目がとってもチカチカするので、これからのシリーズ作品は次のように表記しようと思います。X、XX、XXX、4X、5X。あー、スッキリした。

 前作の4Xがある意味衝撃的だったので、今回はもっと上をいく出来なんじゃないかと身構えていたのですが、割とそうでもない雰囲気(どんな)で始まるのでやや安心することができました。しかし、観ていくうちに、さすがデッチ上げ作品5Xだぜ、と唸らずにはいられなくなるのでした。

 舞台はオンボロなアパート。アル中で芸術家の主人公トロイが泣かず飛ばずの生活を送っていて、大家から追い出されそうになります。その一方、隣の一室では友人らがチープなポルノビデオを撮影中。とにかく落ちぶれ人物らが沢山集うアパートです。そんなところに、トロイの女友達が、どこぞの取引現場でくすねたアタッシュケースを持ち帰ってきます。開けてみれば中には謎の装置が。



 このアタッシュケース、誰が何の目的で作ったものなのか一切説明がないのですが、かなり丁寧に作られたプロップ(小道具)で、小さな液晶モニタにはそれらしい情報がちゃんと表示されたりします。おそらく製作費の大半はこれに使われたんじゃないでしょうか(笑)。トロイはこれをうっかり作動させてしまい、やがてオンボロアパートが惨劇に見舞われることになります。

 アパートのほぼ一室を使っての密室劇で、男女合わせて7人の人物が協力したり敵対しながらの人間ドラマを形成します。アタッシュケースに封じ込まれていた太古からの謎の怪物が、屋根裏に住み着いてしまい、そこからヘドロと触手を伸ばして襲ってきます。襲われた人間は怪物に取り込まれ同化します。今回もエイリアン要素はないのですが、描写としては4Xより原点にやや戻ったかなという感じです。ハデさはないですが、怪物の造型やCGも一応出てきます。

 女性が何人か出てくるので、スピーシーズ的なエロス描写は沢山出てきます。ですが、DVDパッケージに並ぶ金髪の美女軍団は一切出てきません。前作の4Xでは金髪美女が1人佇むデザインでしたが、本作では5人も並んでますから、グシシと油断してフタを開けてみると、実際の女優陣のグレードが・・・。ダメージはデカイです。ただ、同化した女が変身前よりも変身後の方が美人に見えるという、前作同様にちょっと嬉しい特典はありました。


(なかなかカッコよく出来たプロップです。まさか既存作品からの流用とかないよな)

 後半に入ると、アル中トロイの出番となります。アタッシュケースの装置にEMP(電磁パルス)機能があり、これを使って怪物を退治しようとします。まずはEMP機能のロックをピッキングで解除しようとするトロイ。彼の手元と顔面アップをダラダラ交互に映すこと数分間。やっと解除ができ満足気なトロイ。あとはボタンを押すだけ。準備は万端やったぜ。でも押しません。なんで?

 その後も友人らは襲われ命を落としていきます。それを見ていたトロイは「このEMP装置は人体には無害だ。最後の手段に使ってくれ」と言い残し、1人で怪物に向かっていきます。最後の手段って、もうこれしか手段はないのに、未だボタンを押さないのはなんで?残った友人らは脱出するんだぜと叫ぶと廊下を突進。ヘドロと触手に捕まりあわや絶命か・・・と思われたところで友人らはEMP装置をスイッチオン。電磁波がアパートを駆け巡るのでした。EMP装置はずーっと手元にあったんだけどな。

 怪物にトドメを刺す為(EMPはいったい)、トロイはアパートと運命を共にします。ありがとうトロイ。でも、その後もまだまだ続くんだよ、という凶悪なオチが待っているのでした。


(割とスピーシーズっぽい変身ぶりです。4Xのときとは大違いです)

 割と個性的な登場人物が多しで、特に高飛車なラテン系女の顛末にはワクワクものだったと思います。残念なのは女優陣のグレードで、これが素の状態でも高ければ息苦しい密室劇も色々楽しみが増えたでしょうし、ここがスピーシーズとしてどれだけ扱えるかのポイントになるのだと思います(笑)。

 さて、これでやっとスピーシーズXシリーズも完結でしょうかね。長かったですね。全5作品を振り返ってみると、やはりX、XX、XXXが面白かったように思います。女優陣のグレードやスケール感とかも上をいってましたし。まあ、あくまでもシリーズ中での相対的な評価ですけどね。4Xと5Xは申し訳ないですが、悪い夢でも見たんだということで、なかったことにしても宜しいんじゃないでしょうか(笑)。

 余力あれば他のシリーズ作品もどうぞ。

 第1弾 ⇒ 『スピーシーズX  美しき寄生獣』
 第2弾 ⇒ 『スピーシーズXX  寄生獣の誘惑』
 第3弾 ⇒ 『スピーシーズXXX  寄生獣の甘い罠』
 第4弾 ⇒ 『スピーシーズXXXX  寄生獣の囁き』
 第6弾 ⇒ 『スピーシーズXXXXXX  寄生獣の吐息』


(C)2010 All rights reserved Lechago Entertainment
【出典】『スピーシーズXXXXX 美しき寄生獣軍団』/アット エンタテインメント

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2011年7月18日月曜日

映画『ビヨンド・ザ・ダークネス/嗜肉の愛』 ・・・剥製好きの男と変なカレーを食べる年増女中の日常生活

●原題:Buio Omega
●ジャンル:ホラー
●上映時間:94min
●製作年:1979年
●製作国:イタリア
●言語:イタリア語
●カラー:カラー
◆監督:ジョー・ダマト
◆出演:キーラン・カンター、シンツィア・モンレール、フランカ・
ストッピ、サム・モデスティ、アンナ・カルディーニ、ルチア・
デリア、その他大勢




 実に久々の更新となりました。なんとか月一更新は保ちたいものです。そうそう、女子サッカーのなでしこジャパン、世界一になったのですね。おめでとうございます。スポーツはあまり見ませんが、日本が頂点に立ったことは素直に嬉しいものです。
 さて今回は、知る人ぞ知る(?)イタリアのホラー作品です。新作が目白押しの夏ですが、こういうのもいいんじゃないですかね。当ブログは外しまくりでいきますので、宜しくお願いします(笑)。

【ストーリー】
 イタリアのどこか。溺愛の妻を病気で亡くしたフランクは、ショックのあまり妻の遺体を剥製にしてしまう。屋敷の不細工な年増女中は、そんなフランクをかばい、そして愛し続ける。やがて、フランクは暴走を始め、偶然知り合った女性達を襲い出してしまう。一方、ある探偵はフランクの行動に目を付け捜査を開始する・・。


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【感想と雑談】
 常夏の猛暑の時期に、こんな鬱陶しいホラー作品です。暑苦しいです。でも、江戸時代からの知恵にある”暑いときこそ熱いお茶を飲む”と同様、”暑いときこそ暑苦しいホラーを観る”。これです。まさに夏の風物詩ですね(違。
 
 ずーっと前から気になっていた作品ですが、先日やっと観ることができました。殆ど陽の目をみない作品ですが、歴代のホラーとしてもの凄い紹介をされてたりしますね。イタリアらしい異様な雰囲気を持った、なかなか味わい深いホラー作品でありました。
 
 冒頭、不細工な年増女中が、呪い人形を使ってフランクの妻を病死させます。この時の年増女中の不敵な笑みで早くもお腹いっぱいです。妻を溺愛しすぎていたフランクは、剥製作りの趣味を活かして、妻の遺体を剥製にします。腹を割いて内臓抜きをする際、取り出した心臓を愛しくかぶりつくフランク。血がブシューと噴出します。そして、剥製妻をベッドに寝かせ安心するフランク。オカルト現象やカニバリズムも入ったお徳感溢れるホラーですね。
 
 かなり危ないフランクですが、コイツ以上に危ないのが不細工な年増女中。フランクを支配したいがため、常軌を逸した行動に走ります。フランクがヒッチハイカーのメタボ女を思わず殺してしまえば、その遺体をヘラヘラ笑いながら解体し、硫酸をぶっかけ処理します。ジャジャーンと浴槽の硫酸に浮かぶ遺体のパーツ。これを見てオェーつくフランクでした。


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 液体化した遺体を庭に埋めた年増女中は、使ったバケツを台所で洗い終わると、その脇のナベに入った得体の知れない料理をフランクと一緒に食べます。カレーと呼ばれていますが、見た目は水気のないボットンカレー。90度傾けても落ちないカレー。そんな感じ。遺体処理が終わったばかりなのにこの食欲はいったい。しかもこの年増女中、ボットンカレーを貪り食いますが、この時の食い方が下品すぎて大問題。クチを閉じずにグチャグチャ食う様をドアップで映し、時々噛み砕いた具が飛び出したりします。嫌がらせか。これを見てまたもやオェーつくフランクでした。
 
 倒錯の世界に入り浸りのフランクと年増女中ですが、その後もジョギング女が乱入したり、探偵が詮索してきたりとイベント対応に忙しくなります。クライマックスでは、亡き妻そっくりの女が尋ねてきたことで、フランクは混乱し暴走し始めます。フランクと不細工な年増女中にはどんな運命が待っているのでしょうか。
 
 変態で異常な世界を描くだけでなく、犯罪ものとしてのサスペンス要素や風光明媚なところもあるという作品。まとまりが悪いともいえますが、下品さと優雅さが混在している辺り、ある意味インパクトがあって宜しいんじゃないでしょうか。音楽は信頼のゴブリンだし(笑)。ジョー・ダマト監督は他でもえげつないホラー作品を撮られているそうです。さすがイタリア。


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 突然話が変わりますが、なんとあの名作『吐きだめの悪魔』('85)が遂にDVD発売されるんですね!豪華な特典付きで!その他にも気になる作品が勢揃い!!素晴らしいですね。

 
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 という訳で、本作のポスター(左)と、『吐きだめの悪魔』のある場面(右)を並べてみたのですが・・・・・・なんだか似てません?


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