2008年5月7日水曜日

映画『アイガー・サンクション』 ・・・尻を追尾するスパイが山登りに挑戦します

●原題:The Eiger Sanction
●ジャンル:アクション/スリラー
●上映時間:123min
●製作年:1975年
●製作国:アメリカ
●言語:英語
●カラー:カラー
◆監督:クリント・イーストウッド
◆出演:クリント・イーストウッド、その他大勢
◎評価:★★★★★★☆☆☆☆

 かなり古い映画で、学生の頃テレビ放映される度に観ていた。当時はハラハラして観ていた気がするのだが、今観るとどうなのかな。

【ストーリー】
 大学で美術を教える男前のジョナサン教授。かつては秘密組織の凄腕エージェントとして活躍していた男でもある。

  ある日こと突然に組織からお呼びがかかり、引退宣言したはずのジョナサンは渋々ボスが待つ本部に出向く。そこでジョナサンはボスからある依頼を受ける。その依頼とは敵側のエージェントをサンクション(制裁)すること。つまり抹殺することであった。実はあるミッション中に仲間のエージェントが殺されてしまい、その報復が目的なのだ。
 

  顔をしかめながらも多額の報酬と諸経費を条件に依頼を受けることにするジョナサン。
現時点で組織が把握しているのは、ターゲットは登山家でもあり近々スイスのアイガー北壁の登山チームに参加すること、そして名前や人相は不明だが足の悪い人物、という情報のみ。これだけの情報で行動に移るジョナサン。
 

  元々登山家でもあるジョナサンは鈍った体を直す為に、同じく登山家でもある旧友ベンのところに出向き鍛え抜いてもらう。ただし、メインの教官はベンの娘ジョージだったりする。マジかよと(´-ω-`)な顔になるジョナサン。しかし、ジョージは男よりも厳しかった!ベッドでも(何。
 

  なんとか体が元に戻ったジョナサン、早速スイス入りし登山チームに参加する。メンバーはドイツ、オーストリア、フランス、アメリカの4人構成。なかなかのグローバル路線だ。みな英語を話すので問題は無さそうだ。

  旧友のベンは基地主任として、アイガーの麓で非常事態に備え待機する。
 

  登山開始。アイガーの北壁はとてつもない絶壁に難所続きだ。慎重にハーケンを打込みながらザイルを通し一歩一歩登っていくチーム。本当にこの中にターゲットがいるのかよと不安になってくるジョナサン。そうこうしている内に天候も悪くなり、ターゲットどころでなくなるジョナサン。そんなアイガーの北壁で待つ運命とは・・・・・・。

【感想と雑談】
  こういう映画は冒頭の掴み所が大切かと思うのだが、展開の引き金となるエピソードの割に盛上がりに欠けていると思う。その後も中盤辺りまでは、主人公が組織とやり取りしたり、組織が放った女エージェントに騙されたりと、迫力もスピード感もないマッタリ状況が続く。もう少しパンチの効いた演出や捻りを入れて欲しかった。


 ただ、イーストウッド演じる主人公の教授が授業を行うシーンで、女子生徒が足を組替えたりして誘惑するのだが、これがまるでインディ・ジョーンズを観ているみたいだった。製作年から考えるとこっちが本家になるのか。この本家、インディと違って女好きもプラスされてるようだ(笑。

  本作の見所は後半にある。ジョージ・ケネディ演じる旧友ベンが登場してから始まる山岳アクションだ。


  当時はILMはまだ存在していないし、CG自体まだ映画に使える時代ではなかった。という訳で山登りのシーンは全てロケである。
 

 クリント・イーストウッドとジョージ・ケネディに本当に山登りをさせている。さすがに引きの画で絶壁を登るのはプロの登山家かと思われるが、こんなシーンがあった。訓練シーンで鉛筆の様に細くそびえ立つ岩山(推定150m)を登るのだが、頂上に着くとイーストウッドとケネディが二人して腰を降ろす。

 すると、画が一気に空撮からの引きの画になるのだが、これが本当に二人が頂上にいるのだ。5m四方程の狭い場所にだ。凄すぎる。今ではこういう画はデジタル合成で簡単に作れるはずだが、そんな技術のない当時では、凄いもの見せたさに役者も死ぬ思いをしていたのだ。
 

 クライマックスのアイガー北壁では、これも同じく全てロケで役者に実際に山登りをさせている。先の訓練シーンよりもとても過酷だ。もう人間が点になってしまうくらいで、アイガーがいかに巨大なものかがよくわかる。岩壁だけで1800mあるそうだ。同じく引きの画で本格的に登っているのはプロの登山家と思われるが。
 

 こんな過酷な環境でなんとか這いつくばって登山しているところが撮れるだけでも儲けものなのに、イーストウッドは容赦しない。足を滑らせひさしのような岩肌からザイル1本で本当に宙吊りにもなったりするのだ。イーストウッド本人がだ。かなり前から監督業もやっており本当に底力を感じる役者である。前半のドラマ部分がもっとよく出来ていたら、この山岳アクションももっと盛り上ったのかもしれない。

  ちなみに音楽はジョン・ウィリアムズ。この数年後にスターウォーズで
大ブレイクするのね。本作でもそう言われてみればの旋律が流れていた。


無言でスッチーの尻を追尾するジョナサン。テレビ放映ではここで山田康雄さんが”見えた♪”と吹替えする。


どこにいても尻の追尾を忘れないジョナサン。ベンも負けていない。


これが問題の役者命知らずなロケ撮影。本当に高いところ。ビールで乾杯だ。


これがアイガーの北壁。美しい景観。そそり立ってます。


究極のクリント・イーストウッド宙吊りの場面。果たしてどーなるのか。

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【出典】『アイガー・サンクション』/ユニバーサル・ピクチャーズ・ジャパン株式会社

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